“燐光”





城下町には森の気配は全くないと断言できる。ちらほらと飾り立てるように若い年輪を重ねた木々が並んでいるも、あくまで目の保養であって命の息吹は申し訳程度。これは彼女にとって一大事であった。

緑風に吹かれ、木漏れ日に羽を休め、木々のざわめきに耳を澄ませる。彼女とて生まれは精霊の亜種である。人間の生活感覚に照らし合わせて佇んでいられるわけがなく、辛うじて森の祝福を受けた彼の帽子に息を潜めることが城下町の散策における精一杯の譲歩だった。

有り体に言えば、単なる未知への恐怖。

しかし―――託された使命の比重は、年の頃が十に達するか否かという少年が遥かに大きいことは重々承知していた。

寝坊助という第一印象こそが彼本来の性質であって、それ以上ではないはずだ。
……無邪気に、純粋に、素直に。
物事を真っ直ぐに捉える天真爛漫な少年が行き着く先は、きっと立派な“コキリ族”になる確定された未来予想図―――それは天の定めによって変動してしまった。

だというのに、彼は笑う。
時には泣いた。でも笑って前を見た。
時には怒った。でも笑って前へ進んだ。
時には戸惑った。でも笑って前に歩いた。

それはデクの樹サマの願いを託すに値する勇気ある者の素質なのだろう。理不尽に立ち向かい、誰よりも強くあれる。

ならば、導き手としての彼女の役目は―――。

白き珠の躯を震わせる。
二対の翅を明るい太陽を連想させる金糸に休ませ、未だに拭えない恐怖にすくむ。

だが、それでも。
決して彼から離れず、付き添う選択肢は破棄されることはない。

……役目を終える瞬間まで。
一人でも歩む力を得た少年の旅立ちを見届けるまで。

―――淡く輝く導き手は、そう誓ったのだ。





ナビィ大好きなナナシです
劇中用の無い時は帽子の中に隠れ、と思ったらボタン一つできらきら光って現れてくれたり与太話に付き合ってくれたり的確なヒントくれたり明らかに謎解きヒントをくれたり魔物が怖いのに赤く光ってリンクの注目を集中させてくれたりラスボス戦にて謝ってああああああと泣きそうになるは、と思ったら最後の最後で頑張ってくれてあああああああああとなりますよもうありがとうナビィ大好きだぁぁぁぁぁぁぁ!!
(すみません暴走しました)

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