チョコレート


「チョコレートは媚薬として使われるってホント?」
「そういう意図で食すこともあるようだ」
「でも、わたしにチョコ買ってくれるよね」
「欲しいと言ったからな」
「……」
「……」
「……そんなつもりはないよ?」
「分かっている」
「……」
「……ユカリの世界では普通の菓子なのだろう」
「うん。嫌いだってんじゃないかぎり大体の人がもらって喜ぶくらいはポピュラーだよ」
「だから構わぬだろうと思った。こちらの世界にはこれほど刺激の強い食べ物は少ないが、お前は食べても平気なのだと」
「そっか。慣れの問題なのかな〜」
「……だからつまり、私も、とくに下心があったわけではないぞ」
「うん、今はもう分かったよ」
(今までは分かっていなかったのだな……)
「じゃあゴルベーザもチョコ食べれないのかな」
「さてな。媚薬とまではいかずとも、何らかの興奮作用はあるかもしれぬ。なぜだ?」
「好きなひとにチョコあげるっていう行事があるんだよねー」
(好きなひと……)
「でもチョコレートじゃどうせゴルベーザに買ってもらうことになるもんね。なんか他の考えとく」
(…………食料庫の気づきやすいところに置いておくか)




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