エール


「地球人滅べ!!」
「なんですかいきなり! わたし地球人なんですけど」
「じゃあお前も滅べ」
「じゃあとかで存在否定された」
「あいつら何なんだ? なぜウルトラの戦士にばかりパワーを送るんだ」
「えっ……わたし達べつに何もしてないと思うんだけど」
「俺達がやつらと戦ってるときに応援してるだろう、お前ら。防衛軍の女どもにそそのかされやがって」
「誰ですか防衛軍って」
「さあみんなおねえさんと一緒にウルトラマンを応援して! とか言ってるやつらだ」
「それですか!?」
「それだよ」
「ちびっこの話ですね!?」
「主にそうだよ」
「あれは、でも、ショーだし。実際に子供達の応援がウルトラマンの力になってるわけじゃないでしょ」
「いや、なってる」
「……えー」
「なってんだよ。だから無敵で素敵な俺様があんな七光りの戦士なんかに負けたんだ」
(普段は“俺様は負けてねー、あれは戦略的撤退だ!”なんて言ってるくせに)
「なんか文句あるのか?」
「いーえ、べっつにー」
「というわけだ、ユカリ。お前もやれ」
「はい?」
「お前もあれをやれ」
「……がんばれー! ってやつですか?」
「おう。いついかなる時でも俺様の勝利を願い、敵の敗北を祈り、すべてのパワーを俺様に捧げると誓い続けろ」
(誓いって持続的なものじゃないと思うんだけど)
「おら、さっさとやれ!」
「え、でも年齢的に厳し」
「やれ」
「爪刺さないでください。や、やりますよもう……えーと、がんばれ〜」
「もっと真剣にやれ」
「……カイザーベリアル陛下、がんばって!」
「もっと宇宙の果てに届くくらい気合い入れろ」
「がんばれ! 負けるなー!!」
「もっと光の戦士への憎しみを込めろ」
「ウルトラマンなんかやっつけてええええ!!」
「あと俺様への愛も込めろ」
「カイザーベリアル陛下だいすき……!!!??」
「恥ずかしくないのか?」
「恥ずかしいよ! なに言わせるの!!」




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