そのままが1番


「スギさんっ」


シャワーから上がったばかりの杉江の前に一匹の小型犬が転がり込んできた。


その手には何やらメモ帳の様なものが握られていて、その瞳は目を逸らしたくなるほど爛々としていた。


「どうした世良?」


「あのっちょっと聞きたいことがあるんすけど」


「うん、いいけど」


「えっとですねー」


「あー、悪い。取り敢えず服着てからでいいか?」


杉江は腰に巻いてあるタオルに手を当てた。








「で、何が聞きたいんだ?」


着替えを終えた杉江はロッカールームの長椅子に腰掛けて世良を見た。


「っと……」







「好きな人に告白するとき、スギさんなら何て言いますか?」







「……堺さんに告白すんの?」


「ええっ!」


ち、違いますよぉ
と世良がブンブンと頭を振る。

必死に否定しているが顔は真っ赤だ。


「何て言うか、いざっていう時の為に参考にしたいんす!」


「ふぅん、ま、いいけど」


「教えてくれますか?!」


世良はいそいそとメモ帳を開いてシャーペンを握った。


「じゃあお願いしますっ」









「同じ墓に入ってくれ」









「重っ!」


「……何か問題でも?」


杉江の知られざる部分がちらついた時、ロッカールームのドアが開いた。


「おっ、まだ残ってたのか」


「あ、後藤さん。チィッス!」

世良はクルリと振り返り、ペコッと頭を下げた。


「あ、そーだ!後藤さん、今ちょっといいっすか?」


「後藤さんにも聞くのか?」


「出来ればいろんな人の考えが知りたいんで…」


別にスギさんのが不満だとかじゃないっすよ!
と世良は頭を振った。


杉江はジッと世良を見つめた。


「何かあったのか世良」


「いや…あのですねー」


世良はニコニコ顔を作って後藤に近付いた。


「今スギさんにも聞いたんすけど、好きな人に告白するとき後藤さんならなんて言いますか?」


「俺が好きな人に?…うーん、そうだなぁ……」


後藤は顎を触りながら頭を捻った。




「君の瞳にぞっこんラブ」









「センスねぇえええええ!!!!」


「やっぱりちょっとクサイか」


「いや、それ以前の問題っすよ!」


世良はこりゃダメだと思った。

杉江は世良をジッと見ていた。






後日。


「王子ー、王子は好きな人に告白するとき何て言いますか?」

「僕かい?そうだねー、君の瞳はまるでダイヤモンド(略)僕は君という名の嵐に呑まれてしまったよ。I love you.」


「……ありがとうございましたー」


「ハハッ、どういたしまして」





最終的に椿の「え、普通に好きですでいいんじゃないっすか?」に落ち着いた。











取り敢えず後藤さんファンの方すみませんでした…
もうこんなのしか出て来ません…ある意味末期です
書くのは非常に楽しかったです

おまけ。
ドリさんに聞いてみた

「お前さえいれば他には何も要らない」

俺得でした^^

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