変態さん2


練習後の人が疎らになったロッカールームで丹波はゆったりと着替えていた。


足音が近付いてきた。


見ずとも誰なのかは容易に想像できた。


「タンさん、これ何でしょう!」


世良がニヤッとしながらケータイを前に突き出す。


丹波は訝しげにそれを見て息を飲んだ。


「……世良、お前これ……」


「…超レアショットっすよ」


ケータイのディスプレイに映し出されていたのは、堺のシャワーシーンだった。


湯煙で大事な部分は隠れているが、そのチラリズムがなんとも性欲をそそる。


「どうしたんだよこれ…。この表情、アングル…中々お目にかかれないぜ」


丹波は親指をピンと立てた。


「今夜のオカズに送りましょうか?」


またも世良がニイーッと笑う。


最早変態以外の何者でもない。


「くっ…今回は負けてやるぜ。さぁよこせ、さぁさぁよこせ」


丹波の目がギラギラと光る。





「何やってんすかあんたら」


二人はビクッとして背後を振り返った。

そこにはシャワーから上がってきた赤崎が立っていた。


「いや…なぁ?何にもしてないよ、な?世良」


「うっ、何で俺にふるんすか!マジで何にも無いからあっちいけ赤崎」


「怪しいなー」


赤崎がニュッと世良の手元を覗き込む。


そして盛大に溜息をついた。


「あんたら…何してんすか本当に。寂しいっすね」


「うっさいなー…誰にも言うなよ。得に堺には」


丹波が赤崎をジロリと見る。


赤崎は如何にも余裕ぶっこいている様子で頭を傾げた。


「どうですかねー言ったら楽しいですかねー」


明らかにニヤニヤしている。



くっ…このままでは俺達のオアシスがっ…!



丹波と世良は唇を噛んだ。




「じゃあ赤崎。これで手を打たないか」


しばらく黙っていた丹波がポケットからケータイを取り出した。


「何すか?」


赤崎は腕組みをして丹波を見た。




「俺の秘蔵コレクションの一枚……



夏祭りでチョコバナナを食ってるジーノ!」


!!!

赤崎に衝撃が走った。


「一体どこでそれを…!超レアじゃないっすか!」


「ふふ…俺の情報網なめんなよ」


食い入るようにディスプレイを見ている赤崎に丹波は勝利を確信した。


「さぁどうだ?これで手を打たないか?まぁ嫌なら別にいいけどな」


「くっ…今回は貸しにしときますよ」


赤崎は超スピードでケータイを取り出し、丹波と赤外線通信をした。



「え、赤崎って王子狙いだったの?」


「はぁー?お前知らなかったのかよ。見てりゃわかんだろ」


「どーせ鈍感っすよ俺はー。てか赤崎ヨダレ拭けよ」




取り敢えず赤崎はアンパイであると確信した二人だった。










ザッキーが開花しました
まさかの変態数珠繋がり
ヨダレ垂らしたザッキーは見たくないです(ちょww

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