真夏の太陽がジリジリと容赦無く肌に照り付ける。


その暑さたるや凄まじく、練習の熱も合間って堺は額から汗を零した。


今日は一段と暑い。


タオルで汗を拭きとって、ドリンクを一口含む。


熱い大気の中で既に常温に還っていたそれだが、火照った身体にはヒンヤリと浸透していった。


ふぅ、と一息つくと、今度は何か違う汗が背中を駆けていった。


直感的なそれに堺の米神がひくつく。




……来るぞ。




「さっかいさああああああんんん!!!」


「さぁかぁいいいいいいいいいい!!!」


来た


向かって右から世良、左から丹波。


両側から堺を挟み込むように見を屈めて直進してくる変態二人に、堺は顔色一つ変えずに対処した。


そのまま逃げるように走ればヤツらが追いかけてくるのは目に見えているので、ギリギリまで引き付けてから一歩退いてやればそのまま二人は頭から衝突した。


「いったーー!!!」


ゴツンと鈍い音を立てて地面に変態が転がる。


モソモソとのたうちまわる二人に更なる暑苦しさを覚える。




なんなのこいつらなんなの。
マジ暑苦しいんだが、え?ああ、あまりの暑さに頭がやられちまったのか。
そりゃあ仕方ねぇな、ぶつかって正気に戻りゃあ良いんだけどな。
つーか何気こいつら人の尻触ろうとしやがったよな、今。
まぁ、暑いからな、夏だからな……
うん、まぁ、要するにざまぁみろ。




心の中で一仕切り悪態をつきまくった堺は、もう一口ドリンクを飲んで再び練習に戻った。




「やぁ、暑いのに大変そうだね、サック」


一部始終を見ていたジーノが堺に労いの言葉をかける。


暑いとは言うものの、そもそもあまり動いていないジーノはどこか爽やかな表情すら浮かべていた。


なんだかイラッとして、見てるんだったらあいつらをどうにかしてくれ、と喉まで出かかった堺だが、そこは飲み下して代わりに曖昧な笑みを浮かべた。


それに、悲しいかな対処法は既に身に染み込んでしまっている。


意図せずに深い溜息をついた堺の肩をジーノがポンと叩く。


「ま、頑張ってね」色んな意味で
と続きそうな含みを持たせて白い歯を見せるジーノ。


そしてさりげなく尻を掠めていく手。




……今、俺セクハラされた。




あっはっは、と高笑いをしながら去っていくジーノの背中を呆然と見つめる堺の後ろでは例の如く変態二人が騒いでおり、そのまた後ろには赤崎が物凄い形相でこちらを睨みつけているのだった。



敵はその目で見極めろ!


(もう嫌だ、こいつら)











学習してるサックと学習しない変態の話を書いていたつもりが、いつの間にかジーノまで参戦してました(^o^)/
まさに誰得www
いや、でもウチは一応ジノザキです!
ひたすら可哀相なサックを追求したらこんなことになってしまいました…
愛故に(もう黙れ

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