夢主の妊娠が発覚する



▽以前呟いた以下のネタのプロポーズ部分

同棲してる夢主の妊娠がわかった時、そりゃ喜んでくれるのが良いんだけどホルマジオにはまずめんどくせぇって思って欲しい。夢主は好きだけど結婚とか考えてなかったし、正直子供いらない。育てていく金もない。けど流石に堕ろせとは言えなくてどう返事すればいいか悩んでたら夢主から堕ろすからって言われる。経済的に難しいのも、そもそもホルマジオが子供欲しがってないのも分かってたから次の休みに病院行ってくると言う夢主。てっきり産みたいって言われると思ってたから拍子抜けするけど、まぁ本人から言い出したんだからいいだろとそこで話終わる。
そこから何となく街ですれ違う子供とか親子が気になって見るようになるホルマジオ。自分があの父親のように子供と接してるのは想像もつかないしありえないと思うけど、夢主が子供と楽しそうにしてる姿は簡単に思い浮かべるなと思ってる。きっと今まで以上に騒がしく夢主自身も子供とはしゃぐんだろうなと想像しちゃって思わず笑っちゃう。すぐにハッとしていやいやありえねぇわって思うけどその想像した姿が頭に残る。最初は他人の子供を見てて思い浮かぶ想像の中に現れるのは子供と夢主だけだったのに、段々と自分の姿も現れるようになってくる。そうこうしてるうちに明日は夢主が病院に行く日。
前日、なぜか静かなホルマジオを不思議に思ってると明日病院行くのやめねぇかと言ってくる。産んでもいいんじゃあねぇかと言うホルマジオになんで?だって子供なんて面倒くさいしょ?それにお金だって…と反論する夢主に別に今更一人増えたって何とかなんだろと根拠の無いこと言ってくるホルマジオに呆然。なんかおまえとの子供ならいいかと思ってきてよォと言われて夢主号泣。本当は産みたかった、産んでもいいの?と子供みたいに声を上げて泣き出した夢主を悪かったって抱きしめる。夢主が落ち着いたらなんて言ってプロポーズしようと考えてるホルマジオの服のポケットには指輪が入ってる。




こいつが泣いている姿を見るのは何時ぶりだろう。付き合いだした当初はよく笑ってよく泣いて、コロコロ表情が変わる奴だった。そういえば近頃そういう姿をあまり見なくなった。それは他の奴に対してもなのか、はたまたオレの前でだけなのか。
当初はあんなに愛を伝えていたのに、近頃はそれもなくなっていた。ただ変わらぬ日々を過ごし、気が向いた時に体を重ねる。気持ちがなくなった訳じゃあない、だが燃え上がってもいない。生活の中にお互いがいるのが当たり前で…伝えなくても行動に移さなくても、こいつは分かってくれているとオレも分かっていると思い込んでいた。オレに迷惑をかけまいと、恐らく今までも無理を続けさせていた。そんな中、産みたかったと腕の中で涙を流すこいつはこの数日間どれだけ思い悩んだのだろうか。

「…落ち着いたか?」
「うん、ごめん…」

少し落ち着いてきた××に声をかければ、少し気まずそうに顔を伏せる。オレはポケットの中に隠し持っていた物をその手の上に乗せた。

「…やるよ」

××はそれを見てさらに目を大きくし、伏せていた顔を上げる。開けるように目配せすれば、少し震えた手で恐る恐る中身を確認した。

「式は立場上難しいかも知んねぇけど」
「…うん」
「結婚しよう、××」
「うん…!」

大きく頷くとその指輪の入ったケースを握り締め、くしゃくしゃに顔を歪めながら××はまた涙を流し始めた。

「生活は困らねぇように何とかしてやる。でもあんま父親らしいことは期待すんなよ」
「…ふふっ、大丈夫じゃあない?ホルマジオは親バカになりそう」
「…まぁ、手のかかるうるさいのがもう一人増えるわけだしな」
「ちょっとどういう意味よ!」

オレの言葉に先程までとは一転して頬を膨らませる××。あぁ、そうだ。オレとは違い、感情が素直に顔に出る所が可愛いと思っていた。その思いはやはり今も変わらない。
もっとその姿を見続けていたい。子供が産まれることでオレもまだ見たことがないこいつの新たな姿が見てみたい。こいつとの子供ならいいんじゃあない、こいつとの子供だからいいんじゃあないか。その為なら多少の面倒も受けてやる。
首の後ろに手を回し、引き寄せるとオレ達は久し振りの口付けを交わした。



Twitter 2019.08.12

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