義勇さんから手紙が届きました


息災だろうか。きちんと食事はとっているのだろうか。怪我もなく過ごせているのだろうか。どうか穏やかな毎日を過ごせていることを願うばかりだ。
お前の顔を最後に見たのはどれ程前のことだっただろう。俺は離れていても何時何をしていてもお前のことを考えている。だが、お前は何時までも会いにもこない俺を思い続ける必要はない。他に思う男が現れたのならば俺の事など忘れてどうか幸せになって欲しい。
また新たな任務が入った。恐らく難しい任務になるだろう。この任務を無事終えたら、お前に会いに行く。もしお前が俺への思いをまだ少しでも残してくれているならば、その時は俺を迎え入れてくれるだろうか。

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「義勇さん?何でしょうか、あのお手紙は」
「何とは」
「他に好きな人が出来たら自分のことは忘れてもいいという事についてです」
「…あの思いに偽りはない」
「ええ、そうでしょうね。貴方のことですから」
「…」
「貴方が私を大切に思ってくれているからこそ、というのは分かっています。ですが、私の貴方への思いをもう少し信じてくださっても良いのではありませんか?」
「っ…」
「でも構いません、今は貴方が無事で帰ってきてくださっただけで十分です。ほら、中に入ってください。貴方が何時来てもいいように鮭大根の準備は出来てますから」
「…××」
「はい?」
「…ずっとお前を縛り付けてしまうようで伝えるか迷っていた。俺の独り善がりな思いだと、思い込んでいた。だが、お前に聞いて欲しいことがある」

「お前と共に人生を歩みたい。俺の伴侶になって欲しい」



Twitter 2019.10.04
2019.10.05


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