暗チの所にトリップ夢主が帰ってきた!


※トリップ夢主が帰ってしまう日の続編
※イルーゾォのスタンドについて捏造してる箇所があります


▼リゾット
深夜、任務を終わらせてアジトへ帰ってきたリゾット。すると街灯も何も無い暗いアジトの前の通路を彷徨く人影が見える。すぐさま自分の姿を消して近付き、相手の姿を確認したリゾットは驚く。迷彩を解き、久しく呼んでいなかったその人物の名を呼ぶと、振り返ったその顔はあの時別れた時と何も変わっていなかった。リゾットの姿を確認すると涙を浮かべ駆け寄ってきた夢主にリゾットは言う。「…何故帰ってきた」その言葉に夢主は驚いて立ち止まるが、そのまま続ける。「たとえオレの心が引き裂かれようとおまえが家族の元で幸せに暮らせるならと思っていたんだ。なのに何故またこちらに来ることを選択したんだ?」そう言うと夢主は真剣な瞳でリゾットを見つめて答える。「両親にはきちんと伝えたの。一生を共にしたい人が出来たからその人の元で生きていきたいって」「私を守ってくれる家族の元にいろと言うなら、私に幸せに生きろと言うなら私をあなたの家族にしてください」伏せられていたリゾットの目が大きく見開く。夢主の瞳、表情、声からもその固い意志が感じ取れる。「分かった。これからたとえおまえがどんなに帰りたいと望んでもオレはもう離してやれないからな」観念したリゾットはやっと硬い表情を和らげて微笑むと、夢主を抱き締めて再会を喜びあう。


▼メローネ
ベイビィは他のメンバーにも可愛がられながらすくすく成長していた。ある日アジトのリビングでメンバーに遊んでもらっていたベイビィが突然動きを止め、遠くを見つめると「お母さんの気配がする」と言う。それにメローネは信じられないという顔でそんな訳が無いと問い詰めるが、ベイビィはそれに首を振り尚も夢主の気配があることを告げる。するとメローネは他のメンバーの制止も聞かず、ベイビィを抱えてバイクに乗って飛び出していく。ベイビィが示す場所まで来てみるとその場に座り込んでいる夢主がいた。メローネは溢れ出てきた涙を気にもとめず夢主に駆け寄り、抱き締める。「××、××…!まさか、また会えるなんて…」「メローネ、私も会いたかった…!」泣きながら抱き締めあっているとベイビィが近寄ってくる。「あの子がこんなに大きくなったのね」とベイビィを抱き上げて頬を擦り寄せる夢主。「それは皆が協力してくれたから。今までのベイビィと違いすぎてオレ一人ではとても…」と自信なさげに言うメローネだが、夢主は優しく笑いかける。「この子がこんなに立派に成長してるのはあなたのお陰なのよ?今まで一人で任せてしまってごめんなさい。今日からは私も一緒にいるからね」とメローネの頬に手を添える夢主にまたメローネは泣き出してしまう。

その時、少し離れた所では飛び出したメローネを心配して追ってきていたギアッチョがもらい泣きして鼻を啜りながらメンバーへ電話で報告している。


▼プロシュート
夢主が帰ってからも傍目からは今までとほとんど変わらない姿を見せるプロシュート。ただ時々指を唇に当てぼーっと一点を見つめている姿が見られる。ある日のこと、人がごった返す街を歩いている時、ポケットに突っ込んでいた方の腕を急に掴まれる。敵意は感じられないため、また女が言い寄ってきたのかと思って振り返ると通行人の間から見えたのは夢主で、プロシュートは急いで人混みの中から夢主を連れ出す。
「お前、いつ帰って…」「本当にさっき。またこっちに来られることになって」「…本当に××なんだな?」しっかりとその顔を確認するように両手で夢主の顔を包み込み、自分の方を向かせる。そして頬を撫でるプロシュートの手に夢主は自分の手を重ねると「うん」と答えて微笑む。すると急に自分の頬に落ちてきたものに驚いて目を開けると涙を流す彼と目が合う。落ちてきたのは彼の涙だった。別れる前でさえ見ることも出来なかった涙を流し続け、雫を落としてくるプロシュートの姿に夢主の瞳にも涙が滲む。それを見てプロシュートは夢主の額にキスをして「ほら、オレはお前の笑った顔が好きだと言っただろ?」と言うと夢主は彼の好きな花のような笑顔を見せる。


▼ホルマジオ
夢主が帰ってからショーウィンドウで展示されてるドレスを見てはこれは夢主に似合いそうだなとよく見るようになったホルマジオ。今日もドレスを展示してる店舗の前を通ろうとした時ドレスを熱心に見つめる人物がいた。たまたま目に入った為、すれ違いざまに顔をチラッと見てみるとなんとそれは夢主。急いでその腕を掴むと振り返った夢主はホルマジオを確認すると目に涙を浮かべ、飛びつく。その夢主の頭を撫でながらしばらく抱き合った後、離れてからのお互いについて話し合う。「彼氏いないって言ってたのにいきなり指輪してるから周りの人に質問攻めされて大変だったんだよ?彼氏どんな人なの、とか」そう言いつつも嬉しそうに言う夢主にホルマジオも自然と笑みがこぼれる。「ちなみにどういう人って答えたんだァ?」と少し意地悪く言えば夢主は頬を染め、背伸びをしてホルマジオの耳元でコソッと言うと恥ずかしそうに笑う夢主に悶絶。
夢主の手を握ると足早に歩き出すホルマジオにいきなりで足をもたつかせながらもなんとかついて行く夢主。「今度は本物着せてやるって言っただろ」と早速その店に入っていく。式をするのも近い。


▼ギアッチョ
任務に行っていたメローネからメールが入る。「無事ターゲットは始末完了。そして現場にて思わぬ拾い物をゲット、これを持ち帰る」とのこと。メンバーは不思議に思いながらメローネの帰還を待つ。帰ってきたメローネが勢いよく扉を開けると「ほら、みんなお待ちかねだよ」と自分の背後に視線をやる。するとその背後からおずおずと夢主が顔を出した。一気にメンバーに囲まれる夢主。元気にしてたのか、どうやってまたこっちに来たんだと質問攻めにしながら夢主の帰還を喜ぶメンバー。ただギアッチョだけは少し離れた所でその様子を見ていただけ。本当は嬉しいのに、夢主を抱きしめておかえりと伝えたいのに戸惑いが勝り、行動に移せない。夢主も周りを囲むメンバーの隙間からギアッチョを見つめては目を伏せる。そんな二人を見たメンバーはせっかく夢主が帰ってきたんだから盛大に祝おうとその準備のためと言い、部屋に二人だけを残して出て行く。
それからも何も言わないギアッチョに不安になった夢主が「私が帰ってきたの迷惑だった…?」と聞けば「そんなわけがねぇだろ!」と夢主の両肩を掴んで叫んだギアッチョ。クソッと呟いた後、正面から夢主を見据え、ずっとおまえに伝えたかったことがあると話し出す。「オレはおまえが好きだ、それはいなくなった後もずっと変わらねぇ。もう一時も離れたくねぇんだ。おまえが嬉しい時も悲しい時もその側にはオレがいてその気持ちを共有したい。…まだおまえの気持ちはあの時と変わってねぇか?」「バカ。言ったでしょ?ギアッチョ以上に好きな人なんて出来ないって。そんな人の事忘れられるわけないじゃあない」改めてお互いの気持ちが確かなものだと確認した二人は微笑むと二度目のキスをする。

部屋の外では本当に世話が焼ける二人だよなと呆れながらも嬉しそうに見守っているメンバーがいる。


▼イルーゾォ
元の世界へ帰ってから肌身離さず手鏡を持ち歩き、時間を見つけては開いて鏡を見るが何も変化はない。そんな日が続いていたある日、どこかからコンコンとノックの音がする。音の出処を探ってみると、どうやら手鏡から聞こえているよう。急いで開いてみるとイルーゾォがそこにいた。久しぶりに見たその姿に夢主は手のひらを口に当て涙を流す。直ぐに鏡の中に引きずり込まれるとイルーゾォに「会いたかった!」と力強く抱き締められる。再会の余韻に浸りたい所だが、無理やり世界を越えて来たためこの鏡の世界はあまり長くは持たないらしい。「××、オレと一緒に来い。またオレの傍から居なくなることなど許可しない!」そう言うイルーゾォに夢主は頷くと二人で手を繋いで崩れ始める世界から出るため走り出す。
なんとか鏡の世界から脱出し、イルーゾォ達の世界へ来た二人。今二人が出てきた夢主と色違いのイルーゾォの鏡は粉々に砕け、夢主が持っていた鏡はあちらの世界に置いたまま。きっともう帰ることは出来ない。座って息を整えながら今出てきた鏡を見つめる夢主に「…後悔してるか?」と不安そうに尋ねるイルーゾォに夢主は小さく笑うと「そんなわけないでしょ。ずっとずっと来てくれるのを待ってたんだから」と床に倒れ込むようにイルーゾォに抱きつく。



▽リクエスト
トリップ夢主が帰ってくる

Twitter 2019.04.15-2019.04.19
2019.04.19


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