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「我らが始祖!
太陽にも銀にも命を奪われぬ我らが偉大なる母よ。
何故貴女が我らを咎めるのか!」
「私だからこそだ。
永い時を惰性と呪いと運命によって生き続け、一人永劫を彷徨う寂しさに負けてお前達の呼び声に応え悪戯に同族を増やし続けた私だからこそ。
かつて笑いあい、共に悲しみ、生と理を共有していた存在を『餌』として扱うようになってしまったお前達を生み出してしまったことの、なんと罪深いことか。」
あれから、どれくらいの日々を共に戦ってきただろうか。 浮世絵町の夜に潜む妖怪の、更にその影に隠れるようにして蠢きだした吸血鬼達を見つけ出し、倒す日々。 リクオにとって京都で花開院家と共に羽衣狐を討って以来、久しぶりに人間と共に戦った日々だった。 人の身でありながら妖怪である奴良組の皆を信頼し、力を合わせて戦ってくれる名前に最初こそ他組の間者かと疑う者も居たが、今では好感を抱かない者は居なかった。 京都に吸血鬼が現れたとの知らせを受けて、共に再び京都の地を踏んでそこで戦ったこともあった。 ゆらや竜二をはじめとする花開院家の者にも鬼狩りのノウハウを語る名前の姿は、今でも鮮明に思い出せる。 あの時彼女は「吸血鬼とは元は人でありながら、長い年月生きることによって選民思想とその妖術に溺れて『化け物』と成り下がった存在だ。彼らは人を『餌』としか考えないし、その考えを改める気など持ち合わせていない。人間からの説得や言葉での意思の疎通などに耳を傾けようともしないだろう。そう、我々はただ狩ることでしか身を守ることは出来ない。」 そう、言っていた。
だというのに、彼女自身がその『化け物』であったというのか。 今、彼女自身がそう認めたというのか。
――吸血鬼は始祖と呼ばれる原初の魔物が、その血と力を召喚した人間に分け与えることによって増え、更にその元人間が血と力を与えて同族を増やすことで鼠算式に増えていく存在だ。
そう、教えてくれたのは彼女自身だった。
「名前。」
低い呼び声は竜二のものだった。 水筒の封を解き、今にも式神を召喚できるようにと構えた彼が睨んでいたのは、この日本での異変の黒幕たる男ではなく、名前だった。
「・・・騙す気は、無かった。
だが、同族が同族を屠るなど、信じてもらえないと思って、言えなかった。」
そう言って、彼女は赤い月を背に、悲しそうに哂った。
ぬら孫でオリジナル設定吸血鬼主人公。 やってみたかったけど、ぬら孫は熱が上がりにくく冷めやすい(というか他の作品のが上がりやすいからつい後回しにされがち)なのできっと途中で筆が進まなくなるであろうことは用意に想像できるので連載ボツになりました^q^ そしてぬら孫いつ原作が西洋妖怪・魔物ネタ持ってくるか恐ろしくてちゃんと書けないwwしょうけら出てきたときなんてビックビクしてました「ま り あ」^q^(その頃は本気でサイト持ったら連載しようかと思ってた時期でした)
主人公は毎度の如くチートです^q^吸血鬼の始祖にして、同族を狩る者。 この主人公、実は錬金術の実験で生まれた比較的新しい人工の始祖であるだとか、いらん設定考えてました。研究所で出会った同じく実験体の初恋の男の子が鴆に似てるとかいうトンでも要らん設定^q^ でも珍しくしっかり恋愛色入れようと努力した結果なんです、珍しく 初めて同族にした子も竜二に似てるとかいうのも考えてたっけ・・・ホント、無謀なこと考えてた気がします。
そして時系列とタイミングがご都合主義っていうww 京都編終了後・・・のはずなんだけど、プロット見直したら「いや、これはこのタイミングではありえないww」ていう箇所多数でビックリしてました^q^ 何故に遠野が京都に居たりとか・・・茨木童子出そうと試みてるとか無理がありすぎな状態になってました・・・これ、本気で連載するならどんだけ修正しなきゃいけなかったんだろう(遠い目
原作で京都編やってた頃に書いたプロットのはずなので、結構古いです・・・ホント、勢いだけでやらかした感があるので使える気がしないww だけど、恋愛話になりたがっているのが鴆と竜二と秀元とイタクで安心しました。今と好きなキャラ変わってない^^ とりあえずアニメがようやっと今京都やってくれているので動悸息切れが止まりません。
プロットにも鴆が羽広げているところを目撃して「天使(エンジェル)?」と主人公が首をかしげるシーンがあったりとか・・・人間数年では思考回路は変わらないようです。 ほんとに京都編の鴆は天使だと今でも思ってます← [*prev] [next#]3/3
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