隠しシナリオ
〜影の覇王編〜



「黒、子…?」

肌を刺すような気配を纏う相棒を前に、火神は目を瞠る。
感じたことのないプレッシャー。
ただ立っているだけなのに膝を付いて頭を垂れなければいけないような、息が詰まるほどのそれに、知らず喉を鳴らした。

「勝負、しませんか」

ボールを持って微笑む黒子は、姿形こそ見知ったものであるというのに、あまりにも違う。
その背後、まるで付き従うように目を伏せる赤司の姿が異様な光景をさらに特異なものに見せていた。

「黒子っち…?」
「テツ?赤司?お前ら何を…」
「これは一体、なんなのだよ」
「黒ちん?赤ちん?」

不安そうに黒子達を見る、嘗ての仲間たち。

「こちらは僕ら二人で十分だ。そうだろう?」
「ええ。君達は…全員でも構いませんよ」

まるで線引きするように向かい合って、赤司は哂って黒子の腰に腕を回す。
黒子は笑ってそれを受け入れ、見せ付けるように赤司の指先にキスを落とした。

「……ッ!」

息を呑んでその光景を睨みつけるのは誰だったか。
黒子に対して抱える想いは各人、歪みこそしてはいるが同じものだ。
深く昏い愛情という名の楔。


「さぁ…始めましょう」


今、終焉を齎す笛の音が高らかに鳴り響いた―――








「…ふふっ」


(征ちゃん、随分楽しそうねぇ。何か思いついたのかしら)
(どうせまた黒子とかいう奴の事だろ)
(もう耳タコだよな〜)


「テツヤこそこの穢れた地上に舞い降りた浄化の灯火!僕の魂の片割れッ!!ああ!美しいよテツヤ!さすが僕の天使!いやむしろ神!!テツヤLOVE!俺はテツヤが好きだ!愛してる!」


(おい、誰か考えが声に出てるって教えてこいよ)
(嫌よ。まだ死にたくないもの)
(右に同じ!)

今日も平和な洛山高校でした。






***

赤司くん
重度の厨二病を患ってる。もはや不治の病。テツヤはマイプレシャス!黒子厨。
色んな意味で周りから影響を受けやすい性質。妄想癖がある。
最近見たアニメ→デュ●ララ コードギ●ス
今度読もうと思ってる本→戯言シリーズ

***

洛山高校バスケ部の裏ルール【絶対厳守】
@赤司のテツヤタイム中は話しかけない事!オヤコロ!
A黒子テツヤをつられて「テツヤ」と呼んではいけない!ズガタカ!
B厨二台詞には突っ込まない!
C赤司が一人ではしゃいでいるようだ→そっとしておく

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