吹き溜まりでパーティー 煩い駄犬に頭を抱える海常の元キャプテンは疲れきった顔で言う。 「もうマジで黒子くれ。俺にあいつは抑えられない」 お疲れ様です。 だが断る。 おは朝信者を抱える秀徳のキャプテンはそのツンが過ぎるツンデレに頭を悩ませる。 「頼むから黒子くんこっちに転入させてくれ。本気であのツンデレ鬱陶しい」 ツンデレ乙! だからやらねーっつってんだろ! 暴君に手を焼いている桐皇の元キャプテンは眼鏡を弄りながら読めない笑顔を浮かべた。 「毎日毎日テツテツテツテツ煩いねん。だから黒子くれへんか?おたくらもあいつには迷惑しとんやろ?うちの新主将も頭抱えとるんや」 あいつは自業自得だろうが! こっちが迷惑してんのはおたくの後輩にだ! 体は大人、中身は子供を素で行くお菓子スキーの相棒のような先輩が提案する。 「敦はなんだかんだ言いながら黒子くんが傍にいてくれた方がいいプレイヤーになると思うんだ。俺もぜひ一緒にやってみたいし、いいよね?」 なにがだ、この野郎。 人のよさそうな顔してるくせに油断ならねぇ! 中学時代から彼らをまとめ、暴君にすら言う事を聞かせる魔王が口角を上げた。 「テツヤの力を僕ならもっと上手く生かせる。ここでテツヤを生かせるのは火神だけだろう。うちには無冠の五将が3人いるし、誠凛より環境がいい。ぜひともテツヤを引き取りたい。勿論、僕自身テツヤを必要としているし、なによりも(ry」 なげーんだよ! 大体答えはNO、いいえ以外ねぇし! 京都帰れチート魔王! そう言って各校代表者を追い帰したのは記憶に新しい。 だけど、だ。 これは一体どういう事だろうか。 なんでうちで黄瀬がパス練してんの? なんでうちで緑間がシュート練してんの? なんでうちで青峰が1on1してんの? なんでうちで紫原がお菓子食ってんの? なんでうちで赤司が練習の指揮とってんの? 「「「「「何でだああああああ!!!!!」」」」」 突然叫び声を上げた日向達に、一年陣はびくりと肩を震わせた。 それに反応一つ返さないキセキの世代達。 おいこら!無視してんな!お前らのことだよ!! 「黒子っちくれたら帰るっスよ!」 「人事は尽くすべきなのだよ」 「帰ってほしけりゃテツ寄越せ」 「黒ちん持ってかえっていいなら帰るー」 「ならテツヤは連れて帰る」 極めつけはこれだ。 「「「「「学校には許可貰ってるし」」」」」 あいつら(キセキ獲得校)提携しやがったああああああ!!!! 即行問い合わせ↓ 『この方があいつら真面目に練習するし(正直あいつらの面倒見るのもう疲れたし)、誠凛さん、よろしくおねがいしまーす』 じゃねぇよ!!丸投げか!ふざけんな!! あと()内の声聞こえてんぞ!! 「黒子はうちの子です!だれがアンタたちにやるもんですか!」 「そーだぞ!黒子は俺のだ!」 「木吉ィィ!てめぇは余計な火種撒いてんじゃねぇ!」 「黒子は俺の相棒だ!お前らなんかにやるわけねーだろ!」 「そーだそーだ!黒子は俺達の仲間なんだからな!」 反論する誠凛バスケ部に、けれども引く気の無いキセキ連中の文句は続く。 それに痺れを切らしたのか、キャプテンらしく堂々と前に出た日向が味方の期待を一身に受けて声高々に宣言した。 「だからうちの天使はお前らにはやらねぇって言ってんだろうが!!」 一瞬の沈黙の後、それまで以上に激化した討論に、当の本人がさらに遠い目をして愛犬に慰められていることに彼らが気づく事は無かった。 *** 時期的にはWC後、三年陣は引退してる頃。 引退しても迷惑かけてくるのでキセキェ…ってなってる。 (各校)マジキセキどうするべ→黒子が居ればな〜→もういっそ練習は誠凛でやってくればいいんじゃね?→なるほど採用→イマココ! |