『ヒロさーん、飽きちゃった。』 「あのなぁ、まだ始めたばっかだろう。」 今年、大学受験という大きな行事が近付いて来た。 自分の行きたい大学に行くべく、勉強を始めた。 今日はヒロさんがオフと言うことで、 彼氏のヒロさんの家で勉強をすることにした。 『勉強、飽きちゃったなー。』 「だから、早いだろうって。」 『だって、私ウルトラマンですもん。三分しか集中力持ちません。』 「名前、あのなぁ・・・。」 だんだんヒロさんも呆れて来たらしい。 ため息が止まらないみたいだ。 『ヒロさん、ため息付いたら幸せ逃げるんですよ?』 「誰のせいだよ。誰の。」 私のせいなのは分かってる。 別に集中力を保てない訳じゃない。 理由も飽きたからなんて言ってるけど、そうじゃない。ただヒロさんと喋って、イチャイチャしたいだけなのだ。 この頃ヒロさんの仕事が忙しくて会う事ができてなかった。 だから、今日は久しぶりの再会でテンションが上がった。 けれど、受験がもうすぐのとこまでせまって勉強もラストスパートをかけなくてはならないのだ。 『はぁ、受験生なんて嫌だなぁ。』 「・・・・・・本当、馬鹿だなぁ。・・・名前。」 『?な・・・んっ、ふぅっ』 名前を呼ばれたので顔を上げると急にヒロさんに唇を奪われてしまった。 あまりの事に唖然としていると、今度はおもいっきり抱きしめられた。 『ちょっ、ヒロさん?!』 「名前のことだから、飽きたとかいいながらただ単に俺にかまってほしかったんだろ?」 『なっ?!』 「顔に出てたよ。そうならそうと言えば良いのに。悩んでると身につくものも身につかないぞ。それなら、思い切り甘えてから、勉強を頑張れば、集中できるんじゃないか?」 そう言ってヒロさんは私の頭を優しく撫でた。 三分しか持たない集中力 どうやら彼には敵わないらしい。 《三分しか持たない集中力》 猫の足跡:誠さま 戻る |