inzm | ナノ
私を見て欲しい、私だけを。そう願うだけなら、いいですよね?木野先輩。
「音無さん!大丈夫?!」
「あっ、大丈夫です。すみません、心配かけてしまって・・・。」
「そんな・・・謝らないで?」
そう綺麗に微笑んだ木野先輩に思わず見惚れる。木野先輩は私がこけて擦りむいた膝に消毒液をつけて、優しく砂利を取ってくれた。その顔は真剣そのもので、私は嬉しくて頬が緩んでしまう。声を出さずに小さく笑ったつもりだったけど、木野先輩は私の顔を見て優しく微笑んでいた。
「嬉しそうね音無さん。何かいいことでもあったの?」
「木野先輩とこうして一緒にいられることが私にとっていいことです。」
思わずそう言ってしまった私に木野先輩は優しい声で「ありがとう」と言ってくれた。そのときの笑顔はとても可愛くて、どうしてこんなに可愛いんだろうと思っていたら本能的に私は木野先輩の頬にキスをしていた。当たり前のように木野先輩は驚いて口を開いていた。私はじっと木野先輩を見つめてみると、木野先輩も何も言わずに私を見つめた。
「今の、どういう意味で・・・したの?」
「・・・言ったら責任とってくれますか。」
「そんなこと言われても・・・困るわ。」
そう困った顔をする木野先輩も可愛いなあ、なんてのんきに考える私。木野先輩は、女を好きな私をどう思っているのかな。例え気持ち悪いって思われても、私は貴女が好きで仕方ないんです。貴女のことしか目に入らないんです。お願いだから、私の想いを受け止めてください。
「好きなんです、貴女のことが。」
「、っ。」
「私のものになってください。」
もう見ているだけなんて無理です。想いが溢れて、もう止められない。木野先輩、大好きです。
( 返事はYES以外は受け付けませんから )