inzm | ナノ






"大きくなったら結婚しようね"


その約束が冗談だと知っていても私は信じていたかったの。

ねぇ、春奈ちゃん。





私があなたをどれだけ好きかしってる?


なのにあなたはその無邪気な笑顔で私の心を傷つけるのね。



「なまえちゃん、私好きな人が出来たんだ」


そんなこと、知っていたわ。あなたのこと、一番理解してるのは他の誰でもない、私だもの。



「そう、よかったね」


頬を染めて喜ぶあなたに最高の笑顔で祝福を捧げる。


応援してるよ、甘ったるい声でそう言うとありがとう、と私に抱きついてきた。
分かってる、彼女が私に対して抱いてるのは友愛ってことぐらい。


分かってる、だから



「なまえちゃんだーいすき!」

「うん、私も」


鳴り止んでよ、心臓。


あの誓いは消え去りました

どれだけ期待したって待っているのは残酷な運命だけよ。