沈黙の救世主覚醒
あれから変身を済ませた私達4人は、急いで建物の中へと入った。


「邪気の流れを追うわ!皆、付いて来て!!」


私は3人にそう言うと、全神経を集中させ、邪気の流れを追った。そして暫くして辿り着いてのは、空間が歪み、別空間へと繋がっている部屋だった。


「!これは…」

「多分、この奥がデス・バスターズのアジト何だと思う…」

「ここが、デス・バスターズの…」

「この先は何があるかわからない…気を引き締めて行かないと、確実に殺られるわ…。覚悟はいい?ウラヌス、ネプチューン、サン…」


空間の歪みの手前で一度立ち止まり、私が改めて3人に確認すると、3人は小さく笑い、それぞれ言葉を返して来た。


「何を当たり前な事を…」

「こんな所で怖気付いてなんかいられないわ…」

「大丈夫!皆一緒だもん。怖くなんかないよ」

「…そっか……それじゃ、行こう!この世界を守る為に!!」


私がそう言えば、3人は頷き、私の後に続き、デス・バスターズのアジトへ続いているであろう別空間に足を踏み入れた。



―――――



「……何かの研究施設みたいだな…」

「そうね…でも、ここが敵のアジトに繋がっているのは間違いなさそう…」

「うん…無限学園を覆っていた邪気なんて比じゃないくらい、負のエナジーが漂ってる…」

「……(何…?何だか、胸騒ぎが治まらない…)」

「サン…?どうかした…?」

「……嫌な予感がする…さっきから、胸騒ぎがして治まらないの…!」

「…私も感じてる…とてつもなく、嫌な気が流れてる………こんな事言いたくないけど、もしかしたら、既に沈黙の救世主の覚醒が始まってるのかもしれない…!」

「「「!?」」」

「っ…急ごう!」


ウラヌスの言葉に頷くと、私達は急いでこの空間の最奥部に向かって足を進めた。


「「「「!」」」」

「ようこそ、セーラー戦士のお嬢さん達…」


暫くして最奥部へと辿り着いた私達を待っていたのは、デス・バスターズの一味だと疑っていた土萠創一、そしてその奥には、彼の娘のほたるちゃんもいた。


「漸く現れたな…」

「土萠創一…!」

「!(ほたるちゃん…!)」

「君達は運がいい…これから始まる儀式に参加出来る…」


土萠創一が私達に向かってそう言った瞬間、彼の後ろにあった台が照らされ、私達はその上に気を失っているセーラーちびムーンの姿を捉えた。


「!あれは…!!」

「セーラーちびムーン!!」

「っ、ちびうさちゃん…!」


私はちびうさちゃんを取り返そうと、迷わず正面から突込んだ。しかし、私達と土萠創一との間には、強力な結界が張られているらしく、私は後方へと吹き飛ばされた。


「きゃあああああ!」

「「「シャイン!!」」」


3人は吹き飛ばされた私の元にすぐに掛け寄って来た。


「っ…強力な結界が張ってあって、あれ以上進めない…!」

「そんな…!」

「シャイン!ウラヌス!ネプチューン!サン!」

「!セーラームーン!」


私の言葉にサンが小さく言葉を漏らした時、私達の元に内部戦士達が掛け寄って来た。


「どうやら皆さん間に合ったようだね…」

「!あなたは……っ!セーラーちびムーン!!」

「!ダメ!!うさぎ…!!」

「きゃあああああ!!」
「「「「セーラームーン…!!」」」」


セーラームーンは私が止めるのも聞かず、結界へと突っ込んで行き、先程の私同様、後方へと吹き飛ばされてしまった。


「おおっ…!沈黙の救世主が、目覚める…!!」

「!ダメぇ!!止めてぇええええ!!」

「ちびうさぁああああああ!!」


セーラームーンとサンの悲痛な叫びも空しく、ちびうさちゃんのピュアな心は取り出され、更にそれをエネルギーに、遂に沈黙の救世主が目覚めてしまった。


「!そんな、まさか…!」

「沈黙の救世主は…」

「セーラーサターンじゃない…!?」

「「「「「!?」」」」」

「セーラーサターンじゃないなら、あれは…誰…?」


そう言ってただ茫然と、力なく沈黙の救世主を見つめるサンに、私達は何も出来なかった悔しさから拳を強く握った。


「我は沈黙の救世主、ミストレス9…」

「どうなってるんだ…!?」

「セーラーサターンじゃないって…」

「!デスバスターズよ…!ほたるちゃんには、既に強力な敵がとり憑いて、目覚めてしまったんだわ…!!」

「そんな…っ…!」

「我は目覚めた…。次なる段階へ取り掛かろう…」

「ははっ…」


ミストレス9の言葉に、土萠創一が頭を下げた瞬間、結界が消え、私達の今いるこの空間の消滅が始まった。


「!不味い!この空間が消滅する…!皆、急いで外へ!!」


私のこの言葉にセーラームーンがちびうさちゃんを抱きかかえ、私達は急いで建物の外へと逃げ出した。


「(セーラーサターンじゃないにしても、沈黙の救世主が目覚めてしまった……この星の終焉が、始まる…っ…)」
to be continued...
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -