- 調 査
- ほたるちゃんがセーラーサターンの生まれ変わりだと言う事がわかってから数日、土萠親子は、私達の前から姿を眩ませた。
「せつなさんとほたるちゃん家に行ってみたけど、人はおろか、家具すらもない蛻の空だった…」
「不味いわね…土萠ほたるの中の力は、この間のダイモーンとの接触で、今にも目覚めようとしている…」
「私達に残された時間は、あと僅か…」
「…やはり、あそこを詳しく調べるしかないな…」
「無限学園、ね…」
はるかの呟きに私がそう返せば、はるかは静かに頷いた。それに続いて、みちるがポツリと言葉を漏らす。
「…そう言えば、次の日曜日、無限学園を一般開放して、特別講師を招いての講義があるはずよ。それを利用すれば…」
「生徒ではない私達も、堂々と無限学園に潜入出来るわけですね…」
せつながそう呟けば、今度はみちるが小さく頷いた。
「チャンスね……警備は少し厳しいかもしれないど、このチャンスを逃す手はないわ。次の日曜、全員で無限学園の調査及び、土萠親子の行方捜索に当たるわよ!」
私のこの一言に、その場にいた全員が静かに頷いた。
―――――
あれから時は過ぎ、日曜日…
私達は、せつなにうさぎ達の見張りを任せ、私、はるか、みちる、希望の4人で、無限学園へと向かった。
「……パパ達が言ってた通り、凄い邪気…」
無限学園へと辿り着き、初めて直に無限学園を包む邪気を感じた私と希望は、言い知れぬ不安感を覚えた。
「っ…何…この嫌な感じ……やっぱり、ここには何かある…」
「それよりも行こう。人が多い今なら、来場者の整理で手一杯で、警備にまで手が回らないはずだ…」
私達ははるかの言葉に頷くと、人混みに紛れて学園へと潜入した。それから私達が警備員の目を盗みながら向かったのは、この学園のセキュリティーなどを統べて管理している総合管理室だった。
「学園内のスタッフが学問好きで助かったな…まさか、こんなに簡単に侵入出来るとは…」
「だけど、いつ人が戻って来るかわからないわ。手分けして探しましょ」
私達はみちるの言葉に頷くと、希望にモニター観察を任せ、私、はるか、みちるの3人でそれぞれ別のコンピューターを調べ始めた。
「(……敵のアジトに繋がる入り口は、そう簡単には見付からない、か…)」
コンピューターを調べ始めて暫くして、希望が小さく声を漏らすと同時に、総合管理室の扉が静かに開かれた。
「「「「!」」」」
「…何だ、せつなか……」
「脅かすなよ…」
「彼女達も、この無限学園を調べています」
「!…そう……」
「パパ、ママ!ミメットが…!!」
「「「「!!」」」」
私達が希望の言葉に変身済ませたその瞬間、講堂の方から特別講師であるモルジフ博士の叫び声が聞こえて来た。
「!!皆、急ぐわよ!!」
それから少しして私達が講堂に辿り着くと、ステージ上でダイモーンと交戦する内部戦士達の姿があった。
「皆…!」
「どうする?助けに行くか?」
「…っ……」
「ピンクシュガー・ハート・アタック!」
ウラヌスの言葉に私が迷っていたその時、何処からかタキシード仮面とセーラーちびムーンが現れ、セーラームーン達を助けた。
「セーラームーン!今だ!!」
「はい!!」
セーラームーンは敵が怯んだ一瞬の隙に、聖杯を使い、スーパーセーラームーンへと変身すると、ダイモーンへと浄化技を放った。
「レインボー・ムーン・ハート・エイク!」
「っ、不覚…!ラブラブリィイイイイ!!」
スーパーセーラームーンの浄化技により、ダイモーンは浄化された。しかし、次の瞬間、ミメットが何か機械を操作すると同時に、TVモニターの中へとワープした。
「!今度は何…!?」
「っ…どうやらあの機械を使うと、モニターの中にワープするだけではなく、ミメットのパワーも増幅されるようですね…」
「あんなの、どうやって倒せば…!」
「!待て!!ステージにもう1人誰かいる…!」
「……ミメットと何か言い争ってるようね…」
「仲間割れ…?」
私がステージとモニターを見つめながらそう呟いたその瞬間、ステージにいた何者かが、先程ミメットが操作していた機械のコンセントを引き抜いた。
「「「「「!!」」」」」
「そんな……自分の仲間を…」
「っ…恐ろしい奴らだ…」
「私達も、甘い事は言ってられないわね…」
「一刻も早くサターンを封印し、世界を救う救世主を見付けなければ…!」
プルートのその台詞に、全員が頷くと、私達は静かにその場を立ち去った。
to be continued...