守護戦士
10月、冷えた秋の夜空に、満月が美しく輝くある晩、私、はるか、みちる、せつな、希望の5人は、十番町で最大の大きさを誇る公園の奥深くにひっそりと存在する、池に囲まれた屋外ステージへと来ていた。

ステージの一番上、柱の陰に寄り掛かりながら、私達は先程呼び出した人物が訪れるのを、ただ静かに待っていた。


「…夏希。」


はるかのこの声に、私は彼の視線の先を目で追い、呼び出した人物が現れたのを目で確認すると、その人物へと声を掛け、月明かりの下へと姿を現した。


「お待ちしておりました、衛さん…。いいえ、地球国、ゴールデン・キングダムのプリンスにして、未来のクリスタル・トーキョーのキング、エンディミオン様…」

「…遥か太古の昔、太陽系の星々を統べる力を与えられた、太陽王国、シャイン・モナルのプリンセスと、その守護戦士達か…」


私達の姿を目に捉えた衛さんは、私達に向かってそう言葉を発して来た。その言葉に対し、今度は希望が、彼に言葉を返した。


「そして、未来より使わされし者…」


私達は希望の言葉が終わると同時に、それぞれの変身アイテムを取り出し、それを空に掲げると、変身スペルを口にした。


「ウラヌス・プラネットパワー!メイクアップ!」

「ネプチューン・プラネットパワー!メイクアップ!」

「プルート・プラネットパワー!メイクアップ!」

「ブライトイノセンスパワー!メイクアップ!」

「サン・トパーズクリスタルパワー!メイクアップ!」


そして変身を終えた私達を見て、衛さんもタキシード仮面の姿へと変身した。そんな彼に、変身を終えた私達はゆっくりと近付き、改めて名乗った。


「風の星、天王星を守護に持つ、セーラーウラヌス!」

「海の星、海王星を守護に持つ、セーラーネプチューン!」

「冥界の星、冥王星を守護に持つ、セーラープルート!」

「業火と光の星、太陽を守護に持つ、太陽系最強戦士、セーラーシャイン!」

「同じく、未来の太陽を守護に持つ、セーラーサン!」

「我ら5人、外部太陽系戦士!」

「外部、太陽系…?」


私が放った言葉に、タキシード仮面は疑問の声を漏らした。そしてその声に、プルートが静かに頷くと、彼の疑問に答えた。


「私達は、これまでのセーラー戦士にない、より強い力を授けられた戦士なのです…」


プルートのこの言葉に、ウラヌス、ネプチューンの2人も言葉を続けた。


「太古の昔、僕達に与えられた役目は、シャイン・モナルにて、太陽系を統べるプリンセスの側近とし、彼女を守護する事…」

「そして、宇宙からこの太陽系内に侵入しようとする敵などから、太陽系と、シャイン・モナルとシルバー・ミレニアムの二大大国を守る事でした…」

「しかし、私達がこの時代に戦士として覚醒した時、敵は既に、この星の奥深くに、静かに巣食ってしまっていたのです…」

「それが、デス・バスターズ…新たな敵か?」


タキシード仮面の問い掛けに、私は静かに頷くと、話を続けた。


「私達は見逃してしまった…奴らの侵入を許してしまったのは、完全に私達の…いいえ、全ては私のミスです。全ての記憶が甦るのも、戦士としての覚醒も、何もかもが遅かった…」

「…過ぎた事を悔いても仕方あるまい…それに、記憶や戦士としての覚醒は、己の意志でどうにか出来るものでもない。あまり気にするな…」

「……ありがとう、衛さん…」

「いや……それよりも何故、セーラームーン達と力を合わせようとしない…?彼女達もまた、君達と同じ、セーラー戦士だろう…」


タキシード仮面のこの言葉に、ウラヌスは小さく笑みを零すと、その口を開いた。


「…足で纏いだな…」

「何…!?」


ウラヌスの言葉に、当然の事だが、タキシード仮面は怒りチラつかせた。そんな彼に、フォローの言葉ではないが、すかさずネプチューンが言葉を続けた。


「この戦い、セーラームーンには無理ですわ。マーズやヴィーナス達にも…」

「確かに、私達は彼女達と同じセーラー戦士です。けれど、同じであって、同じではない…」


プルートのこの言葉に、タキシード仮面は疑問の声を上げた。


「?それは一体、どう言う事だ…?」


彼の問い掛けに、私の隣に立っていた小さな戦士、セーラーサンがその問いに答えた。


「セーラーマーキュリー、マーズ、ジュピター、ヴィーナス…彼女達内部戦士は、シルバー・ミレニアムと、クリスタル・トーキョーのクイーン……ネオ・クイーン・セレニティ様にのみ仕える、純粋な月の眷属…」

「けれど、ここにいるウラヌス、ネプチューン、プルートの3人は、現在こそ、月と太陽…どちらにも仕える身分にありますが、元を辿れば、彼女達は太陽の眷属…。私達と同じ、太陽王国、シャイン・モナルの戦士なのです…」

「!?」


サンに続いて私が零した言葉に、タキシード仮面は驚きの表情を見せた。そんな彼に構わず、私とサンは言葉を続けた。


「太陽の光は、月の全てを包み込む柔らかい光とは違い、その全てを燃やし尽くす業火の光……」

「それに因んでか、太陽の眷属である我々には、内部戦士の皆さんより、遥かに殺傷能力の高い技に加え、聖なる力の込められた武器が与えられたのです…」

「!それが、彼女達の持つ、タリスマンなのか…?」

「そう、彼女達の持つタリスマンが、彼女達が太陽の眷属である事を示す、何よりの証拠…。…私達と彼女達が同じであって、同じではない理由は、ここにあります…」


私の言葉に、タキシード仮面は言葉を失ったのか、その口を閉じてしまった。


「最大にして、最強の敵…デス・バスターズを倒す…。これは、太陽系を守護する戦士である私達の役目です。」

「あなたには、余計な手出しは無用だと、彼女達に伝えておいて頂きたい…」

「失礼な事を言っているのは重々承知ですわ。しかし、聖杯を使いこなせないセーラームーンには、シャインの補佐を務め、デス・バスターズを崩壊に導くのが不可能なのもまた事実…」

「…セレニティ様守る為と思い、どうか…」


私達はタキシード仮面にそう言い残し、一度お辞儀をすると、彼に背を向け、静かにその場を立ち去った。



―――――



そして、タキシード仮面…もとい、衛さんに私達の正体を話した翌日の今日、私は、私と希望の住む部屋に訪れて来たはるか、みちる、せつなの3人を家の中へと招き入れ、彼女達にコーヒーを出すと、ソファーに腰を下ろし、この間の戦闘についての話し合いをしていた。


「…この間、ミメットとか言う奴が現れたあの公園で、戦闘後に不思議な力を感じた…」

「僕もだ。一瞬だったが、確かに強いエナジーのようなものを感じた…」

「私も感じました。」

「のんも!」

「…って事は、みちるも感じてるよね?」「ええ…」


私は私の向かい側の席に腰を下ろし、コーヒーを飲んでいたみちるに問い掛けた。そして、みちるから帰って来た返答を聞いて、私はあの時感じた事を口にした。


「……一瞬だったから絶対だとは言いきれないけど、あの力……私は、私達と同じ、太陽の国の者じゃないか、って思うの…」

「「「!?」」」

「!まさか…!」


私の言葉に、驚愕の表情を見せるはるか、みちる、せつなの3人に、わけがわからず首を傾げる希望に、私は数秒の間を開け、言葉を発した。


「……もしかしたら、この近くにいるのかもしれない…。目覚めさせてはならない、沈黙の戦士の生まれ変わりが…」

「「「!?」」」

「?沈黙の戦士って…?」


ネオ・クイーンから沈黙の戦士の事を聞いていないのか、私の隣に座っていた希望は、首を傾げ、私達にその戦士の事を尋ねて来た。


「…沈黙の戦士とは、破滅の星、土星を守護に持つ、セーラーサターン…。太陽系に存在する守護戦士の中で、最も強い力を持ち、その力は、覚醒前のシャインに匹敵するとも言われています…」

「!?それ、本当なの…?」


希望の驚きの声に、せつなは静かに頷くと、言葉を続けた。


「彼女の持つ、死の女神の鎌…沈黙の鎌(サイレンス・グレイブ)は、全てを無に帰す死の鎌…」

「確かに、どんな強敵であろうと、あの鎌が振り下ろされれば、一溜まりもないと思う。だけど……」

「一度沈黙の鎌が振り下ろされれば、星は死に、世界は終焉を迎える…」

「言わば、諸刃の剣だな…」

「諸刃の、剣……」


はるかの漏らした言葉を小さく繰り返す希望に、数秒の間を開け、みちるがある事を問い掛けた。


「………希望、あなた…未来のパパとママから、ママの前世の話は聞いた事があるかしら?」


みちるの突然のこの問いに、希望は首を傾げるも、すぐに首を横に振り、聞いた事がない事とみちるに告げた。


「ないよ?何か関係あるの…?」


希望のこの問いに、みちるは更に数秒の間を開け、ゆっくりとその口を開いた。


「……前世のママはね、セーラーサターンの振り下ろした沈黙の鎌から、星、国、国の人々、太陽に住む全ての生命を守る為…クリアトパーズの力を解放し、その身を滅ぼしたの…」

「!?」


みちるの言葉に驚く希望を余所に、はるかはみちるの言葉の続きとなる言葉を、ゆっくりと紡ぎ始めた。


「…前世の僕達もまた、悪しき者達から、この太陽系を守る為、激しい戦闘を繰り返していた…。しかし、その戦いの中で、負のエナジーに触発されたのか、決して目覚めてはならない、沈黙の戦士が目覚めてしまった…」

「眠りから覚めた沈黙の戦士、セーラーサターンは、世界に終焉をもたらす事で、悪しき者をこの世から消し去ると言う己の使命を果たす為、何の迷いもなく、敵へと向かって行ったわ…」

「…そして、セーラーサターンが沈黙の鎌を振り下ろした瞬間、前世の私は、咄嗟にクリアトパーズの全ての力を解放する事で、太陽に存在する全ての生命…星を守った…」

「だけど、クリアトパーズの全ての力を解放すると言う事は、それを守護する者……つまり、プリンセスであるエリカの死を意味する…」

「クリアトパーズの解放により、星は、太陽は救われたわ…。だけどエリカは…っ…!」

「……力を無理に解放した事で、それに耐えられなかったクリアトパーズは粉々に砕け散り、私はそのまま息絶えた…。これが、私の前世での、最期の記憶…」

「…そんな……」


私達の話を聞いた希望は、言葉を失い、そのまま顔を俯かせてしまった。そりゃそうだ…前世とは言え、自分の母となりえる人物の最期なんか、誰も聞きたくないだろう…


「…希望…」

「…っ……だ………ママが死ぬなんて、絶対やだ…っ…!!」


そう声を上げ、漸く顔を上げた未来の娘の目には、今にも零れ落ちそうなくらいの涙が溜まっていて、私は小さく笑みを浮かべ、それそっとを指で拭うと、希望を優しく、だけど力強く抱きしめた。


「大丈夫、ママは死んだりしないよ…?例え、現代に沈黙の戦士が目覚めたって、この時代のこの世界には救世主がいるもの…。救世主と聖杯の力があれば、例え沈黙の鎌が振り下ろされたって、聖杯の無限の力によって、世界は守られる…。ママは全てが終わってから、傷付いた人達の為に、ちょっと再生の力を使うだけだもん…」

「っ…本当に、それだけで済む…?ママ、死んだりしない…?」

「うん、本当にそれだけ…。死んだりしないよ…?」


そう言って微笑む私に、希望を挟んだ隣に座っていたはるかは、口元に小さく笑みを零すと、未来の娘の頭に手を乗せ、口を開いた。


「…だってさ、希望。…ママの為にも、絶対、救世主を見付けような…」

「…ん…っ……!」


希望ははるかの言葉に力強く頷くと、私の胸へと顔を埋め、襲い来る不安からか、静かに涙を流した。そんな娘の姿に、私とはるかは小さく笑みを零すと、いつかの朝みたいに、小さなその体をギュッと抱きしめた。



―――――



あれから暫くして、落ち着きを取り戻した希望を連れ、私達は気分転換にと、町の中心部、商店街へと足を運んだ。


「さてと…とりあえずここまで来たけど、これからどこ行く?」

「そうだな…希望、どこか行きたい所あるか?」

「本屋さん!この間ちびうさにね、すっごく面白いって本教えてもらったの!」


希望は、ちびうさちゃんと同じ小学校に通い出してから、彼女の事を“スモール・レディ”ではなく、“ちびうさ”と呼ぶようになった。何でもちびうさちゃんに、20世紀では皆自分の事をそう呼んでるから、希望にもそう呼んで欲しいとお願いされたのだとか…。

そんな希望の話を聞いたはるかは、希望を見て優しく微笑むと、彼女にある提案をした。


「そうか…それじゃ、今からその本買いに行くか。」

「うん!」


このはるかと希望の会話を後ろで見ていたみちるとせつなは、クスクスと小さく笑みを零し、呟いた。


「…何だか微笑ましいわ…。最初は2人とも、自分達の未来の娘だって聞いて、顔真っ赤にしてたのに……今じゃ立派なパパとママですもの…」

「ふふ…そうですね…」


私とはるかは、可愛らしい笑顔を浮かべながら、私達の右手と左手を握る希望に優しい笑みを向けると、ここから一番近い本屋へと向かって歩き出した。しかしその瞬間、辺りに漂っていた妖気が、一気にその濃さを増した。


「「!!」」

「…やれやれ…またか…」

「仕方ないわ、はるか…。それが、私達に与えられた使命なんですもの…」

「そんな事より、今は一刻も早く変身を…!」


せつなの言葉に頷くと、私達は建物の陰に身を隠し、人目がない事を確認すると、戦士の姿へと変身した。

そして変身を終えた私達は、急いで妖気の元を辿り、本屋近くの駐車場へと行き着いた。

そこで私達の目に映ったのは、ダイモーンの攻撃により、動きを封じられ、地面に貼り付けられているセーラームーンの姿だった。


「っ…動けない…!」

「ふははっ…!切り貼り…チョキチョキ。」

「!?ちょ、待った待った…!!どうするつもりよ…!?」

「思いっきり切り貼りしちゃって!」

「了解。」

「こらー!!」


顔を青くし、自分のピンチに焦るセーラームーンを見て、私は小さく溜め息を吐き、プルートは彼女を助ける為、ダイモーンに向かって技を放った。


「デッド・スクリーム!」

「!プルート…!」

「…全く、世話が焼けるんだから…」

「大丈夫ですか?セーラームーン」

「シャイン…!サン!」


私は、セーラームーンを地面に貼り付けていた巨大な紙を退かし、彼女を拘束から解き放った。そして立ち上がったセーラームーンに、ウラヌスが言葉を掛ける。


「戦いは僕らに任せてもらおう…」

「!ウラヌス、ネプチューンも…!」


私達の姿を目に捉えたセーラームーンは、助かった事からか、安堵の笑みを零し、私達にお礼の言葉を掛けて来た。


「助けてくれてありがとう。」

「お礼はいいから、早くここからお逃げなさい!」

「え……?」

「っ…もう!何で次から次へと…!」


私達の登場に、ミメットは焦りの表情を滲ませた。さすがにこれだけ戦士が揃えば、どちらの分が悪いのかは一目瞭然。そんな状況の中、プルートの技によって暫く伏せていたダイモーンが立ち上がるのが見え、ネプチューンがすかさずダイモーンに向かって技を放った。


「ディープ・サブマージ!」

「突然の雨でも大丈夫!」


そう言ってダイモーンは、己の腕を傘に変化させ、その傘を盾に、ネプチューンの技は防いだ。そして、間髪入れず、私達に向かって攻撃を仕掛けて来た。


「Gペン、丸ペン、カブラペン!!」

「はっ…!」


ダイモーンの投げて来たペンを、サンがロッドを取り出し、それを回す事で防いだ。

そんな中、セーラームーンは尚も逃げようとせず、私達に向かって問い掛けて来た。


「どうして…何で!?あたし達、同じ戦士の仲間…」

「邪魔だ!!」

「!」


ウラヌスはセーラームーンの言葉を途中で遮ると、そう彼女を冷たく突き放した。そしてそれとほぼ同時に、ダイモーンの攻撃を防ぐ為、ウラヌスは技を放った。


「原稿地獄!!」

「ワールド・シェイキング!」

「締め切り前の底力…!!」


しかし、ウラヌスの放った技は、ダイモーンの攻撃こそは防いだが、ダイモーン自体に当たる事なく、今度は腕をカッターに変えたダイモーンが、私達に向かって突進して来た。


「フィニッシュ…!!」

「!」


それに気付いた私は、すぐにロッドを取り出し、ウラヌスとセーラームーンを押し退けると、それをロッドの柄で受け止め、ダイモーンを思いっきり蹴り飛ばした。


「ぐは…っ…!」

「逃げないなら戦いに集中しなさい!敵に隙を見せない!話は後!!」

「!は、はい!!」


私の叱咤の声に、セーラームーンが敵に向き直ったその時、私達の背後から、セーラームーンを呼ぶ声と共に、彼女の守護戦士達が現れた。


「「「「セーラームーン!!」」」」

「!皆…!」

「太陽の者達よ。」

「!タキシード仮面!」


私達は突然現れたタキシード仮面に、視線だけを向け、彼の言葉に耳を傾けた。


「我々1人1人の力は、君らより劣るかもしれない…。だが、セーラームーンには、力を合わせる仲間がいる!」

「……甘いわね…」

「え…?」

「!シャイン…!!」


私が小さく呟いた言葉に、セーラームーンは疑問の声を漏らすが、ウラヌスの私を呼ぶ声にその声はかき消され、私の耳に届く事はなかった。

そして、私は先程蹴り飛ばしたダイモーンが起き上がるのを見て、ロッドの先をダイモーンに向けると、すぐに浄化技を放った。


「シャイン・ハート・キュア・エイド!」

「っ…!締切厳守ー!!」


私の放った技でダイモーンは無事浄化され、原稿に寄生していたダイモーンの卵は破壊された。


「っ…覚えてらっしゃい…!!」


私達にそう言い残し逃げて行くミメットを見て、私達もその場を後にしようと、内部戦士達に背を向けた。しかし…


「待って!!」


セーラームーンの制止の声に、私達は一度、その足を止めた。


「ねぇ、あたし達、同じセーラー戦士でしょ…?一緒に、皆で協力して戦えないの…?」

「…セーラームーンが救世主でない以上、私達はあなた達に協力するつもりも、協力してもらうつもりもない。」

「どうして…!?どうして、そんな事言うの…?あたし達、同じ太陽系戦士の仲間でしょ…?」

「違う。僕達とお前達は、同じであって、同じじゃない…」

「?どう言う事…?」

「…確かに、私達は同じ太陽系に存在する戦士よ…?だけど、あなた達は月の、私達は太陽の眷属…」

「僕達とお前達とじゃ、戦士としての力も、守るべきものも違うんだ…!」

「……デス・バスターズを崩壊させ、沈黙から未来とこの世界を守るのは私達の役目…!余計な手出しは無用よ…」


私達は、彼女達にそう冷たく言い放つと、今度こそ静かにその場を立ち去った。


「…夏希ちゃん……(どうして、わかり合えないの…?)」


立ち去る私達の背中を見つめ、セーラームーンは今にも泣きそうな顔で、小さく私の名前を呟いた。
to be continued...
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