- 沈んだ歌姫
- それは深く、
とても暗い…
どこまで落ちても、
続くのは闇。
そして、静寂に包まれた
とても寂しい
死の世界――
再び転生するその時まで、
ここで過ごす事になる。
思い出すのは、
いつでも愛しい恋人の顔。
そして、大好きな仲間達の顔。
はるか…
みんな…
ごめんなさい。
……はるか、
また、あなたを遺して逝くのを赦して…
―――――
それは、数ヶ月前の事…
「!?シャイン…何をする気だ!!止めろ…!!」
「タリスマンの力がない今、そんな事をしたらあなたは…!」
「……わかってるよ…。でも、私は…やっぱりサターンを…仲間を救いたい。太陽系を統べる者として、プリンセスとして……私はあの子を、幸せにしてあげたい…。だから、ごめんね……はるか、みちる…約束、また守れないや…」
そう言って彼女は一度だけ悲しそうに微笑むと、ファラオ90へと向かって足を進めた。
「だめだ…やめろぉおおおお!!」
「……ごめんね、はるか…。…さよなら…私はずっと、あなたを愛してるから…」
デス・バスターズとの最後の戦いで、彼女、セーラーシャインは僕達の制止の声も聞かず、沈黙の戦士を救う為、クリアトパーズの力を解放し、命を落とした。
あの時、あの中でどんな事があったのか僕達にはわからない。戦いが終わり、そこに現れたのは、ボロボロになったスーパーセーラームーンに抱かれた、転生後の土萠ほたるだけ…。
セーラームーンと共に、ファラオ90の中に入って行ったはずの彼女の姿は、どこにもなかった。
「夏希…」
「…!はるか、あれは…」
「!!」
転生後、赤ん坊になった土萠ほたるの存在に気付いた僕達は、そっとセーラームーンの腕から土萠ほたるを奪い、セーラームーンの前から静かに姿を消した。
その後いろいろあって、今はみちるとせつな、そしてほたると一緒に暮らしてる。彼女が命懸けで助けたほたるは、血は繋がっていなくとも、本当に自分の娘のようで可愛いと愛情さえ芽生えてくる。
きっと、君が生きてここにいたら、僕とほたると君で、親子に間違われたりしたかもな…
夏希……
また君に出逢えるまで、僕は待つよ…
いつまでだって、君を愛してる
to be continued...