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「はるか、もうすぐ誕生日だね!」

「そう言えばそうだな…ここ暫く、戦いが続いてたせいで、自分の誕生日なんて忘れてた…」


はるかはそう言うと小さく笑った。


「もう、はるかったら…忘れちゃダメじゃない…はるかの誕生日は、はるかがこの世に生れて来た、大切な日なんだから…」


そう言って私ははるかの手を取り、ギュッと握ると、彼を見つめ、言葉を続けた。


「…はるかが生れて来てくれなかったら、今の私達はないんだからね…?私達が出会って、恋をして、今こうやって愛し合えるのは、全部はるかがこの世に生れて来てくれたからなんだからね?……忘れないで…はるかにとっても、私にとっても、大切な日なんだから…」


私の言葉に、はるかは微笑むと、握っていた手を引き、私を腕の中へと閉じ込めた。


「…わかった。もう忘れない…」


私を抱きしめ、耳元でそう囁くはるかに、私は顔を赤く染めながら言う。


「…今度忘れたら、誕生日プレゼントあげないからね…」

「もう忘れないよ…君から、誕生日プレゼント貰いたいしね……誕生日に何をくれるの?」

「それは当日まで秘密!楽しみにしてて…?」

「わかった…楽しみに待ってるよ」


そう言ってはるかは優しく微笑むと、ゆっくりと顔を近付けて来た。それに気付いた私も、ゆっくりと目を閉じ、彼の唇が触れるのを、彼の腕の中で静かに待った。
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