星 野
「星野ぁああああ!!!!」

「うわっ!!何だよ、急に大声出して…」


俺は驚いて読んでいた雑誌から彼女へと視線を向ける。すると凄い形相の彼女が何かを手に持ってやって来た。


「何だよ…じゃないわよ!!何この点数!?ありえないんだけど!」

「げっ…どっから拾って来たんだよ…(くしゃくしゃにして捨てたはずなのに…)」

「大気がゴミ箱に入ってるのを見付けて、私に見せて来たのよ!!」

「大気か……あの野郎、余計な事を…」


俺は彼女に聞こえないように小さく呟いた。


「今何か言った?」

「いえ、何も!!」


彼女は怒ると怖い。だから俺も大気も、あの夜天ですら彼女には逆らわない。


「で、星野…こんな点数採って、留年でもしたらどうすんの!?」

「大丈夫だよ、追試受かればいいんだから!」

「そう言う問題じゃないの!!」

「はい…すみません…」

「ったく…明日から帰ったら毎日一時間は絶対に予習、復習してもらうからね!」

「えぇー…嫌だよ。俺、勉強嫌いだもん」

「嫌いだもんじゃ済まないの!!勉強しなくても夜天みたいに点数採れるなら私だってこんな事言わないわよ!採れないから言ってんでしょ!?」

「はい、返す言葉もございません…」

「だったら、明日から毎日一時間は勉強する!私も付き合ってあげるから、頑張ろう?」

「!おう!頑張る!!」


彼女と二人っきりになる口実が出来るんだったら、俺は嫌いな勉強でも何でもしてやろうと思った。それと同時に、この時だけはバカでよかったと思ったんだ。


「(大好きな君が一緒なら、俺は大嫌いな勉強だって何だって頑張れるんだ)」
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