- 蔵 馬
- ※連載ヒロインでお馬鹿パロ。9割9分9厘会話文のみ←
「そー言えば芙蓉、前から思ってたんだけどよ、おめー蔵馬の何処に惚れたんだよ?」
「お、幽助…たまにはいい事聞くじゃないか!どうなんだい、芙蓉?ついでに、蔵馬との馴初めも聞かせておくれよ!」
「あら、私達の事がそんなに気になる?」
「「気になる」」
「そうね……まず、私と蔵馬の出会いは、今から………もう何百年前になるのかしら…わからないわ。とにかくずっと昔、家の屋敷に、蔵馬の率いる盗賊団が宝石や武器を盗みに入ったの。それが出会いね」
「盗みに入ったのが出会いって……どっかでバッタリ会っちまったのか?」
「いいえ?宝石や武器の盗みは全て部下達に任せて、蔵馬が私に会いに来たのよ」
「「会いに来た!?」」
「ええ。何でも、私の話を風の噂で聞いて、一度会ってみたかったんですって」
「へー……蔵馬も大胆な事するねぇ…」
「蔵馬はそう言う人なのよ…」
「それで?蔵馬は、おめーに会いに来てどうしたんだ?」
「“お前に惚れた。オレと共に来い”って言うから、私は“嫌と言ったらどうするの?”って聞いたわ」
「それでそれで?」
「そしたら蔵馬は、“オレは盗賊だ。欲しい物は何でも手に入れる”って、私を屋敷から攫ったのよ」
「はー……蔵馬ったら、本当、何処までも大胆だねぇ…」
「でしょう?そこから毎日蔵馬に口説かれて…気が付いたら、私もいつの間にか、彼の虜になってたのよ。まあ、これが私と蔵馬の馴初めね」
「へー……」
「それじゃ、芙蓉!次は蔵馬の何処に惚れたか聞かしとくれよ!芙蓉の蔵馬の好きな所は?」
「そうね……長くて綺麗な髪、切れ長の目、筋の通った高い鼻、薄いのに柔らかい唇、一見細く見えるのに、がっしりした逞しい腕、胸板、甘い言葉を心地よく耳に届けてしまう声、基本優しいんだけど、たまに意地悪で狡賢くて、夜は獣のようになる性格、ちょっと腹は立つけれど、しっかりと女の喜ばせ方を知ってる所も好きだし…それから……」
「いや、もういい!!」
「あら、私はまだまだ言い足りないわ。それから……」
「だぁー!!!!!!もういいって言ってんだろうがぁ!!!!!!!!!」
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「け……ぅ…け………幽助!!」
「はっ…!!って、あれ……?夢…?」
オレは蔵馬の声に、いつの間に眠ってしまっていたのか、ベッドから勢いよく飛び起きた。目を開ければ、さっきまでいた筈の芙蓉の部屋ではなく、よく見慣れたオレの部屋だった。
「大丈夫ですか?随分と魘されてたようですが…」
「蔵馬…」
「一体どんな夢見てたんだい?」
「あれだけ魘されてたって事は、さぞかしこえー夢なんだろ?」
「ぼたん…桑原……」
「ふん…悪夢なんぞに魘されるとは、貧弱な精神だな…鍛え直して来たらどうだ」
「飛影もいたか…」
「そう言えば、魘されている最中、うわ言のように芙蓉の名前を読んでましたけど…夢に芙蓉が出て来たんですか?」
「え……?いや…っつーか、蔵馬さん…?口元は笑ってるけど、目が笑ってな…」
「何の事ですか?」
いや、だから…!!!!
(顔こえーって!!)
(そんな事ないですよ。それより、夢の中で芙蓉とどんな事してたんですか?)
(何もしてねーよ!!)
(嘘を吐くなんて、幽助はいけない子だなぁ…)
(嘘じゃねー!!!!マジで何もしてないって!!!!!!
だからその顔、マジで止めて下さい…!!)
※ヒロインはきっと家の事情とかでいない←