結局のところ(DDFF♀17歳トリオ)

※先天性女体化


探索を終え秩序の聖域に帰還し、少し汚れてしまったガンブレードを磨いていると、ふと誰かに髪を触られる感触がした。

「…どうした」

振り向くとそこにいたのはヴァンで、私の髪を一房手に取り熱心に眺めていた。不思議に思いつつ問えば、髪に向ける視線はそのままにぽつりと呟いた。

「良いなぁスコールの髪、真直ぐで綺麗でさぁ…」
「…そうか?」
「そうだよ!見てよあたしのなんかピン無かったら爆発しちゃう!!」

言いながら毛先のピンを一つ取ると、生きているかのように勢い良く跳ねる髪。ぴょこぴょこして…ヴァンに似ているかもしれない。

「…ヴァンらしくて私は好きだが」
「嫌だ!押さえるの大変なんだぞ!?あたしもスコールみたいに真直ぐで手入れ楽そうなのが良いー」

後ろで喚くヴァンに、別に楽ではないしセットにそれなりに気を遣っているんだが、と私は思ったが敢えて言わないことにした。

「何の話してるッスか?あたしも混ぜて!」

ヴァンが騒ぐのを聞き付けたらしいティーダがテントの幕を上げ顔を出す。これはもう武器の手入れは出来そうにないな、と考え私はガンブレードをテントの隅に置いて身体ごと彼女達の方に向けた。

「あっティーダ!ティーダなら分かってくれるよな!スコールの髪真直ぐで綺麗だよな!」
「あーそれ分かる。こう、どうしても跳ねちゃうんスよね。ショートは特に」
「ほらやっぱり!」

何がやっぱりなのかは分からないが、自分の意見に賛同する人間が現れた為にヴァンのテンションは上がる一方だ。
私はふぅ、と溜め息をついてぼそぼそ自分の意見を呟いた。

「…私は、二人の髪の方が柔らかくて好きだ…跳ねてるのも、可愛い」

そう、私の髪は誰に似たのか少し固いのだ。ヴァンやティーダみたいな触り心地の良い細くて柔らかいねこっ毛は可愛いし、さらさらしていて羨ましい。

そうかなぁ、と納得いかない様子のヴァンとティーダに無言で頷くと、ぱっと笑顔も見せた。

「じゃあ交換出来れば良かったのにな」
「無い物ねだりッスね」
「全くだな」

三人揃ってくすくす笑って、それから二人が褒めてくれるなら少し好きになれそう、という話になる。
結局のところ、自分とは違うものを持っている者を羨ましがるのが人間だ。隣の芝生は青く見える。…特にこの二人は。だがそんな二人が良いと言うなら、この髪も捨てたものではないかもしれない。



―――
髪の毛の話。私の中のイメージのにょた達ですが。
女の子で同い年ならこんな話題できゃっきゃうふふすると思う。…という感じで適当にばばっと打ち込んだだけなのでこっちの倉庫行きです。
因みに私はスコール側←

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