恋と鍵は別分野(鍵部屋榎本夢)

…例えば、僕の所有する中で一番解除の難易度の高い鍵を使い、彼女を部屋に閉じ込めたら、彼女が自力で解くことはほぼ不可能だろう。
そして部屋から出ることの叶わない彼女は、僕の側で僕に従順に生きるしかなくなる……


『…榎本さん?』

「…っ、はい、なんですかアイさん」


思考に沈んでいた僕の頭は、彼女…アイさんの声を聞いて一気に現実に引き戻された。彼女はさっき僕が解いた鍵を色々な角度から見つめてたり指先で触ったりして感心していたからと油断していた。


『いえ、さっきから私を見ていたのでもしかして触ってることに怒っているのかと…』

「別に怒ってはいません。ただあまり不用意に触らない方が良いですよ。うっかり手に嵌まった状態で鍵をかけてしまった人を一人知っています」

『ええっ!?おっ脅かさないでください!』


僕の言葉に反応して慌てて手を引っ込めた彼女は見ていて飽きない。やはり、会う時間が彼女の仕事の合間のみでは足りない。
…僕は何を考えているのだろうか。ずっと、一人の方が気兼ねしなくて済むと思っていた筈なのに。人と関わるのは苦手で、誰にも邪魔されず追求したいが故に備品倉庫室に一人でいたというのに。

…青砥さんや、彼女がここに出入りするようになってからおかしい。自分が。先程も、彼女を閉じ込めるだなんて。


『あっ』

「どうしましたか」

『でももし鍵がかかっても、榎本さんが外してくれますよね?榎本さんの持ち物ですし』

「…ええ、まあ」


彼女は僕のことを信頼している様子。わざと外さない、なんてことは考えないらしい。彼女の無邪気な笑顔が眩しい。
…きっと閉じ込めたりなんかしたら、この笑顔は曇ってしまう。やはり、この考えは捨て去るべきだ。

ニコニコと微笑んでいた彼女は不意に時計を見て、そろそろ戻らなきゃ、と呟いた。時間というものは、残酷だ。


『では私はこれで失礼します。コーヒーご馳走さまでした』

「いえ…」

『ふふ。また来ますね!』


榎本さんの側は落ち着くので!と言い残し彼女は鞄を肩にかけ席を立った。
…また来ますね、ですか。本当はずっと居て欲しいんですが。けれど隣に居てくれてもきっと上手く話すことが出来ない。それに、


「…身体が保ちません」


どうすればこの張り裂けそうな心臓が治まるのか…調べてみますか。専門分野以外は全く知識が無いのだから。
閉じ込める前に、やるべきことはたくさんあるみたいです。僕はパソコンの電源を点け、コーヒーのおかわりを淹れる為に立ち上がった。



―――
書いたは良いけど榎本さん女の子を閉じこめるような人じゃないよね!そんな度胸もなさそうだよね!自分にツッコミを入れ没になった初榎本さん夢。もう好きすぎてどうしたいかが分からない…から話も訳分からない……
取り敢えず何を書きたいのかと言えば榎本さんの可愛さと女性慣れしてない可愛さと榎本さん何考えてるか分からないけど素敵ということと榎本さんに閉じ込められたいこと(榎本さん言い過ぎ)

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