誰かが言った。
そうだ、青春しよう、と。
みんながのった。
退屈な日常にほんの少しのスパイスを。
でもまぁ正直、
「女子高生の着替えなんぞにゃぁ興味沸かねぇ訳ですよ」
目標の三階の教室のすぐ目の前にある校舎の三階と二階の間の踊り場。にたむろする暇人男子高校生。青春ってなんだっけ。
頬杖をついて溜息を落とせば「なにお前ホモなの?」と笑いながら言われる。周囲も同調して笑い出すから収集がつかない。とりあえず俺の名誉の為に言うなら俺はホモじゃないしちゃんと女の人に興奮できる。女子高生に興味がないだけだ。多分。
とか考えてたら首謀者が目標の教室を指差す。
「おっ! 体育を終えた女子が教室に入って参りました!」
一応見てみれば学年色のジャージに身を包んだ女子高生がぞろぞろと。
男子が興奮して窓枠に近寄れば、まぁ向こうからも丸見えだわな。きゃー、なんて高い声がこっちにまで聞こえる。教室の中の女子がわらわら動きながらこっちを指差して、カーテンを閉め始める。
「もう見れねーし帰るかー」
と階段を降りかけると、カーテンが少し開いて、手を出してきた。何かと思えば、中指を立てて「fuck!」。女子怖いなぁおい。
改めて階段を降りていると女の先生が上ってきてみんな呼び止められた。
ああ、説教タイムか。おかしいな俺女子に死ねって言われただけなんだけど。
「あのね、君達がそういうことに興味を持つのは仕方ないと思うんだけど、でもやっていいことと悪いことがあるの」
そういう事に関してのやって良い事って何ですか先生。つまり彼女作って健全に性行為に及べってことでしょうか分かりません。
むしろ先生、あなたがその丈の短いスカートで足を組んで見えそうで見えない絶対領域を作っている方が不健全です。
少し首を傾げてみる。
余計怒られた。