「君は何を言ってるんだ?」
「……だから、好きな人ができたと。何度も言わせるな恥ずかしい」
「相手は」
「君もよく知っている人だが」
「共通で異性の知人は一人しかいないな。寂しい男だ」
「お前には共通していない異性の知人がいると言うのか」
「いる訳がないだろう、わざわざ言わせるな」
「先に寂しい男だと言ったのは君じゃないか」
「反省しよう。それで君はそれを僕に言ってどうしたいんだ?」
「女々しいと笑っても構わないが」
「笑ったら笑ったで怒るのだろう」
「怒るが」
「君はさっきから遠回りをしたがるな」
「そう見えたか?」
「言いたいことがあるなら言ってしまえ」
「言えるのならば遠回りしたりしない」
「矢張り遠回りしていたのか」
「いやどう話したものかと」
「ああつまり……想い人とやりたいと」
「……っ! 君は直接的過ぎる……」
「君は初すぎる」
「にしたってもっと言い方というものがあるだろう。想いがそこに帰結するわけではない」
「言い方を変えようと意味は同じだろう。そもそもやりたいという単語だけで過剰に反応する君がおかしいんじゃないか」
「君が普段から下世話な話ばかりするからだ。君以外の人に同じ事を言われたってこんな反応しない」
「何だか照れるね」
「意味が分からない」
「まあこの単語を読んで見給え」
「意味が分からない」
「ちゃんと声に出して読めよ」
「馬鹿にするな英語くらい読め……」
「どうした、読めないのか」
「馬鹿にするな。いや、君が馬鹿なのか」
「馬鹿にするな。君は初だからな。まずは口に出すところから始めようと言っている」
「さっき帰結はそこではないと言ったばかりだが」
「口に出すことで分かることもある」
「その単語から何が得られるとも思えないが」


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