年下×ノンケ
「……おじさん」
昼間なんてそんな時間に公園でブランコに座って黄昏ている不思議なリーマン風のおじさんを発見したので声をかけてみる。
「どうしたんです、こんな時間に」
おじさんの傍に歩いていく。逃げる様子もなく無気力に座っていただけだった。やがてぽつりと、辞めさせられたんだ、と呟いた。
「君に言ってどうにかなるものではないけどね」
おじさんは小さく自嘲するように笑って見せた。
ブランコに掴まるおじさんの左手の薬指には指輪。養う家族もいるのに仕事はない。大変な世の中だ。なんて世間を知らない僕が言えたことではないけど。
「大変、ですね」
他人事のように言うと一瞬怒ったような顔で見上げてきた後、また無気力に頭を下げた。
「僕の家で働きませんか」
昼食間食昼寝付き。そう提案するとおじさんは弱々しく笑みを返してきた。子供の戯れ言だと思っているのだろう。
「本当ですよ。人手が足りないんです」
やはりこんな年頃になると何でも疑ってかかるんだろう。家族もいるようだし尚更か。
「とりあえず、前払いってことで」
疑われるなら目に見える物を、と財布から新札を数枚取り出して住所を書いた紙と一緒に手渡す。
「気が向いたらこの住所に来てください。……家族がいるんでしょう?」
家族の話をするなんて卑怯だと思ったが止まらなかった。おじさんは神妙な顔で手元の紙を見ている。
「詳しくは来てから話しますよ。待ってますね」
お題「薬」、軽い作品を創作しましょう。補助要素「学校」
みんな、学校は嫌いだって言うの。
しかたないね。勉強なんて嫌い、体を動かすのも好きじゃない。
「……何してんの」
「んー?」
ぎゅう、と友達に抱きついた。
「人の体温と柔らかさはパソコンじゃあ感じられないのよー」
学校は嫌いだけど、来たくないけど、でも、人に会える学校は私のお薬だと思うよ。
薬も過ぎれば毒になると言うけども。
嫌われ攻め×男前受け
キモいウザいこっちくんななんて大丈夫です大抵のことは言われ馴れていますいっそもっと秀逸なものはないかと彼らの罵言から探そうとする日々です。
「そういうのやめろよ」
はいはい偽善者乙。それとも新しいタイプのいじめですか?庇われようとそんな卑屈な考え方しかできない自分に庇われる価値なんかありますか。
感じたままに先のことを言えば彼はひどく傷ついた顔をしました。
そうです自分はそういう人間なのですやめて下さい関わらないでむしろ虐めてくれた方が真っ向から嫌えて楽なのですが?
傷ついた顔をした後彼はなにやら鋭い顔つきになりクラスの皆に聞こえるような大きな声で言いました。
「お前等のせいでコイツはこんなに歪んだんだ。ふざけるなよ。そんな奴等と友達だったなんて思うとコイツに申し訳なくなる」
なんてことを滔々と。
「ふひっ」
変な笑いが漏れた。しかし本人は自分の演説に夢中なようだしクラスの人間も彼の演説に聞き入っていたので聞こえなかったようだった。