ある日のことである。ブログの友人にバイトをしないかと誘われた。僕の都合の良い日に一日だけ、その友人に付き合ってくれと言われたのだ。
 何がバイトに繋がるのかと聞いたら個人的にやっていることなので細かいあれやそれやはないらしい。既に色々怪しいのに、給料は言い値でいいと言う。どう考えても怪しいとしか思えない。
 実際そのことを伝えたら「じゃあ会いましょう。直接会って渡したいものがあるので。駅前の喫茶店でいいですか?日にちや時間は決めていただけると嬉しいです」
 会うことになった。
 渡したいものって何。犯罪スレスレのものだったらどうしよう。
 その人は確か僕の家の最寄り駅を知っていたからきっとそこの駅前という解釈で良いのだろう。
 とりあえず空いていた日を指定して駅前について問い質したらやはり我が家の最寄り駅でいいらしい。
 住んでいるところについてのやりとりなんてしたことがあっただろうか。何で知ってるんだ。少し怖くなってきた。


 当日。
 喫茶店で所在なさげに座る僕の前には綺麗な女の人がいた。お仕事とかバリバリしちゃうような。きゃりあうーまんだ。
 不安になったから確かめたら「そうです」と返ってきたから合っているのだろうし何より僕のHNも知っていた。無事会えて良かった。
 でもお願いしたいことが変なことだったらどうしよう。この商品を人に奨めたらお金が増えるよとか、近くでオークションがあるとか。嫌な方に考えちゃって駄目だなぁ。

「あの……?」

 一人頭を悩ませていたら不安気に声を掛けられた。対人は大分久しぶりでどう話していいか分からない。相手が人ってだけでも恐ろしいのにこんな美人が相手なのだ。このまま発狂する勢いである。


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半製品ってやつ


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