「ごめんよ……こんな事になるとは思わなかったんだ……」
湖のそばに寝そべる女とその脇に腰を下ろして項垂れる男がいた。全てを諦めたように微笑む女と対象的に男は涙を流してその微笑みを見ていた。
「仕方ないのよ。そういう時代なの」
女は寝そべったまま男に手を伸ばすと男の涙を拭ってやった。
「今からでも遅くないよ。赦して貰いに行こう。僕が言えば赦して貰える筈さ」
ぐずぐずとした鼻声で言うと女に手を伸ばした。女は、この人は何も分かっていないという顔で笑って見せた。
「あなたはね。赦して貰えるでしょうよ。必要だもの。それに赦して貰う必要もないし謝りもしない。私は間違ってないもの。謝るって事はそれを認めるって事よ。間違ってないのに何を認める必要があるの?」
伸ばした手は掴まれずに、無気力にだらんと下がっていった。
「でも、殺されちゃうよ。死んだらどうにもならない」
女の意志は固く、考えを変える気はないと知ってはいたが、それでも愛する人が死にそうだというのに黙っていられるわけはなかった。
「そんなにいきたいならあなたが一人で行きなさい。そして『件の女性は湖で溺れ死んでしまった』って言えばいいわ。そしたら私は殺されないでしょう?」
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どーにも続かない
?→男→←女なんだと思う