2.
 まだ学生で未成年だからね、責任取れないでしょ。
 とかなんとか言ってずるずると卒業まで何もせずに健全なお付き合いをしていた。律儀に付き合ってくれるなんて優しいじゃないの。惚れ直すわ。
 卒業まで何もしなかった。卒業したら何もしなくなった。
 別れたのだ。
 卒業まで何もしないと決めたのも別れようと切り出したのも私で、本当に申し訳ないと思っている。

「大人になったら、また付き合ってくれる?」

 そんなふざけたことを言った私に対して「うん」と頷く彼には意志というものが存在するのかと疑ってしまった。


3.
 大人になったら。とは言ったけども、大人の定義が曖昧で、二十歳を過ぎた今でも彼に連絡は取れずにいる。
 二十歳を過ぎたら大人なのか。精神的には成長していない。ならばまだ子供のままだ。きっとこれからも成長しないのだろう。そしたら彼とは一生会えないな。仕方ない。
 しかし何にでも頷く彼のことだから、きっと別に彼女でも見つけてるに違いない。


1.
 嫌い嫌い嫌い嫌い。何にでも頷くあの人なんか大嫌い。視界にも入れたくない。
 なんであの人は私と付き合ってるのなんで私はあの人と付き合ってるの。私は彼のような人は嫌いなの別れたいな別れようよそうでしょそうしようか。


5.
 流れで私の部屋に行った。出会った場所から近かったから。いやいやどうしたものか。


4.
 久しぶりに彼に遭遇した。見つかった。まさか気付かれるとは思わなかった。
 彼女もいないよってわざわざ教えてくれた。学生時の約束をまだ引きずっているらしい。私だって忘れてはいないけど。

「会えて嬉しいけど、まだ大人になれてないの」

 学生だった時みたいに適当に言葉を並べて逃げようとしたら、珍しく彼は「うん」と言わなかった。

「大人になれなくていいよ、少なくとも俺から見たら大人なんだから、」


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何がしたかったかすら覚えてない


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