好きな人がいました。
過去形です。
でも現在進行形で愛してます。
過去形なのはもういないからっていうだけです。
不憫で純真な彼女は悪い人に騙されてボロボロになっていくのです。もう見ていられません。
そんな僕の前にすてきなひとが現れたのです。
恋ではありません。僕には好きな人がいるのですから。
すてきなひとは願いを叶えてくれると言いました。
当然願いは唯一つ。

彼女を助けて。

すてきなひとはにっこり笑って、分かった。きっと叶えてあげるわ。と言ったのです。
次の日に彼女の家に行ってみれば何かパトカーやら救急車やらが止まっています。何かあったのでしょうか。
きっとあの悪い男が何かしたのです。
もしかしたら昨日のすてきなひとが何かしてくれたのかもしれません。
ああ彼女は救われたのでしょうか。
さぁこれはどういうことでしょう。
なぜかのじょがしんでいるのです。
ぺたんぺたんと足音がしました。きっとあのすてきなひとです。
問い詰めなければ。
「どういうことですか。あなたは助けてくれると」
すてきなひとはにっこり笑って言いました。
「ちゃんと、苦しみからの救済はしたわ」
つまりはそういうことらしいのです。
すてきなひとが何か話していますがあまり耳に入りません。とりあえず僕はお礼を渡さないといけないらしいのです。
僕から彼女を奪って更に物品を要求するつもりらしいです。
でも僕には何もありません。僕は彼女で構成されていたのですから。
じゃああなたのこころをいただきましょうか、とすてきなひとは提案しました。
そうですか。好きにすると良いと思います。彼女のいない世界に存在価値なんてないのですから。



title/青色2号


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