ごっ、という鈍い音で目が覚めた。
「痛…」
声の主は俺じゃない。俺がどこかにぶつけた訳でもなく、ふかふかの布団に包まれている。
声のした方に目を向けてみる。段々慣れてきたようで視界がはっきりしてきた。
見えたのは同居人がうずくまる姿。
どうしたのだろう。具合でも悪いのだろうか。
「…どうしたんだよ」
声をかけると驚いたようでびくっと震えた。その辺の空気だけ動いたみたいだ。
「あ、…起こした? ごめん」
うずくまってたかと思うと立ち上がってあらぬ方向を向いてそう言った。そっちに俺はいない。落ち着け。
「見えないなら電気付ければ?」
再びびくっと震える。自分が謝った方向と違う方から声が聞こえたからだろう。
「や、起こしちゃうかなって」
ふらふらと此方を向いて目を合わせようとしている、のだけどやはり見当違いの方向を向いている。


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どーもこーもならなかった鳥目野郎


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