ぼっち楽しい。

座右の名とまではいかないまでもいつも私の心にはそんな言葉が居座っていました。
家ならばネットもあるのですが、学校ではそうも行きません。携帯の使用を控えろと先月親に言われたばかりです。
なので昼休みという一時間近い時間、私はひたすら窓の外を眺めるのでした。
…いっそゲーム持参してトイレ飯でもいいかなぁ
などと考えていると、不意に名前を呼ばれました。一瞬驚いて肩が震えましたが気付かれていないことを祈るばかりです。
用件は何かと尋ねることもせず無言で次の言葉を待っているといきなり携帯を取り出しました。私の中にはもはや不信感しかありません。
「携帯持ってるでしょ? アドレス教えて!」
なるほど今時の子にありがちのアレですね。そして持っている前提で話は進める。現代っ子ってやっぱ怖いな、と思いながらアドレスを送りました。初期設定から変えていないアドレスを見て彼女は「変えればいいのに、変えないの?」と笑っていました。
何故か本来ならストレスに感じるはずのその笑顔も最初に話しかけてきたときの馴れ馴れしい態度も私に不快感を与えることもなく、ただ久しぶりに一般の人と会話をしたという謎の充実感を残していきました。

夜になってPCと睨めっこをしていると突然動物の鳴き声がしました。一瞬驚きましたがそれは携帯のメールの受信音だと気付きました。
差出人の所に人の名前があったのですが誰か分からず困惑しました。
そしてメールの内容を見てそのメールが今日話しかけてきた彼女からのものだと理解しました。
しかし何と返していいか分かりません。何でも世間の女子高生の間には二分以内にメールを返さなければならない縛りルールがあるとか。恐ろしいですね。
そんな難題が今眼前に突きつけられてようやく事の重大さに気付いたのです。
ああやっぱり携帯などないと言っておけばよかった。そしたら今頃こんな気持ちに駆られることなど無かったのに。
ひたすら彼女からのメールを見ていて、気付けば約束の二分をとうに過ぎていました。携帯を握る手にだらだらと汗が流れていきキーが満足に押せません。
どうにか返信ボタンを押し返信画面に行きました。今の時間を見るともう十分が経過しています。
ああやばい、明日からクラスでハブられ確定だなこれは。いやそもそも現状は変わらないな。
何だかそう思うと楽になった気がして、汗も引いていきました。メールを打つ手も軽いです。浮上している間に書いてしまおうと急いで書いて内容の確認もせずに送信してさっさと布団に潜りました。ああ明日が怖い。

次の日の朝、学校に行くと女子に囲まれました。怖いです。がくぶる。
あれから何があったかは分からないまま気付いたら携帯のアドレス帳に名前が増えていました。これ何てマジック。
お昼も雲を眺めて過ごそうとしたらまたしても女子に囲まれ気付いたら教室の真ん中でお弁当を開いていました。何回か声をかけられたのですがどう受け答えをしたかも分かりません。何が起きてますか。
どうやら私は女子高生に友達と認識されてしまっているようです。



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疲れたので切ります
続かない


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