うちの生徒会長は凄い。何か凄い。何か、じゃなくて普通に凄い。普通に凄いなんて言葉は存在しないとか言ってる場合じゃなく凄い。
頭良くて、運動できて、人の好みに寄るけどまぁ一般的にみれば格好良くて、背が高くて、ノリも性格もいい。
常に周りには人がいて、凄く人生楽しんでるって顔。確か彼女もいるって話だけど、うちの学校にあんな会長に釣り合う女なんていたかな。少し考えてみるけど下半身の緩そうな下卑た女ばっかだった気がする。あれ、女にも使える言葉だっけ、まぁいいか。そんな感じだ。
「会長ってモテますよねー羨ましい」
そうでもないよ、と嫌味の無い爽やかな笑顔で返される。さすがは会長。人を魅了する術を心得てらっしゃる。
いつも取り巻きがいるのに今だけはいなくて、一人で携帯をいじっている。メール?そうか、一人でも一人じゃないのか。
「彼女さんとか美人なんでしょう? 」
いることは前提なのか、いやいない方がおかしいもんな。とか思ってたら意外な答え。
「いや? 今はいないよ」
そう言った直後に携帯が鳴った。メールが来たようで確認している。
つまり会長様に取って一国民の俺<側近の一人らしい。
メールを確認すると携帯を閉じる。返信しないのか。うぅん。国王よ、そろそろ隣の国に進撃すべき時かと思われます。否、まだその時ではない。なんて遣り取り。余りにはまりすぎて我ながら吹きそうになった。どうかした?と聞かれて我に返る。
「ああいや、会長、メールは、誰から?」
聞くと困ったように笑って、ごめん、と言われた。いやいや王が謝る必要などございません、全ては出過ぎた真似をしたわたくしめのせいでございます。
「今彼女出来た」
そう言ってメールの中身を見せる。ああなるほど。訂正、側近じゃなくて側室だった。ん?側室ってことは他にもいるのか?
「会長って、ひょっとしてオンナノコ、ストックしてます?」
「なぜばれた」
全く隠す気ないでしょう。今も楽し気に笑っている。そうかこの国は一部貴族に限り一夫多妻制か。良いか愚民共、我が皇族の血を根絶やしにしてはならんぞ。
「でも一個違う、オトコノコもいるかも」
な ん だ と 。
まさかの男色も認められていたなんて知らなかった。いやきっと女ばっかで疲れた王を癒すための、…何を癒すんだよ。
いや、会長がバイって事に問題が、いやいや、御心の広い会長の事だ。きっと告白されて断りきれなかっただけだよな。…誰が告白するんだよ。
会長から告白するとも思えないし、うーん。

「会長、実は俺も会長が好きなんだ」

いっそ自分で確認するのが一番か。さあどうする王様。
「うん、俺も好きだよ」
あ、駄目だ。俺も側室認定だ。


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