この心をくれてやるの続き


ここはどこでしょうかわかりません
しろいへや…へやというよりはこにみえるきもします
いっしゅんへやにいろができたけどすぐにきえました
かわりにぺたんぺたんとおとがします
なんだろ、なつかしいかんじ?すこしむねのおくがむずむずします
「久しぶり」
ああなんかしってるひとのような
だれでしょう
おんなのひとでしょうか
「あなたから以前お礼に、って心をもらったのだけれど、私の友人が返して来いって言うから返しに来たのよ」
なにをいってるのでしょう
はやくてきこえません
でもきこえててもりかいできなかったんだろうな
おんなのひとがてをだしてなにかすると、むねのむずむずがなくなったきがしました。

「大丈夫?」
すてきなひとが話しかけてきました。あれあれあれれ、何であなたが此処にいるのですお代はとっくに支払ったはずです。
「…何で、渡した物を返すのですか」
僕の心はいらないってことですかならもうお代は払わないので彼女を返して欲しいな。
「だから、友人が願いを叶えてないのにお代だけ徴収するなんて、って言うから。こうして返しに来たのよ」
そうなのか。願いって何だっけ。彼女を助けてって言った。それに対してすてきなひとは苦しみからの救済はしたって言った。なら一応彼らにとって願いは叶えたことになるんじゃないんだろうか。
「心なんていりません、彼女を返して」
すてきなひとに掴み掛かる。自分的には結構力を込めたつもりだったんだけど全然効いていない。まだ体力が回復してないからだろうか。
「それは無理。彼女が死んだのは予定外。私は関与していない。だから代わりに教えてあげる、彼女を殺したのは同居人の彼」
一方的に話してそれからにっこり笑う。
「この情報でどう動くかはあなた次第。もしみんなの期待通りに動いたら仲間に入れてあげる」
最後にそう言って部屋を出て行く。ああこの部屋は病室だったのか。今気付いた。
それでみんなって誰だろう。期待?期待されてるって何を?
何にしてもこの情報。すてきなひとが言うんだから間違ってるようには思えないし、なら僕が憎むべきはその同居人。そうだ怪しい人なんてアイツしかいないじゃないか。ならばやることは決まったも同然。
こんな居心地の悪い場所になどいられない。
がばりと起き上がる。身体自体に異常があるわけでもなし。でもやっぱり久しぶり、なのか?冷たい床に素足で降りて少し冷たいなぁなんて立とうとしたらふらふらよろよろ不安定。
で、ふらふら窓まで行って下を見る。あぁ此処一階なんだ一階に病室なんてあるんだね初めて知った。まぁいいや、窓枠を乗り越え、ようとした。
「うわっ」
まさか落ちるなんて誰も思わないよ。いや思うかもだけど痛い。痛い。窓枠にぶつけた膝が痛い。地面にぶつけた顔面が痛い。どこがじゃなくて全身痛い。
「………っ」
痛みに震えてる場合じゃなく、誰かに見つかる前に家に帰らなきゃ、家じゃなくてもいいから、どこか。

どこか、で思いついたのが公園で知り合ったお兄様方だけだった。


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