恋に落ちる音は『 』



4階の教室、窓際一番後ろの席。ここが私のお気に入り。
先生の講義を真面目に聞いているふりをしながら、時折窓の外を眺める。

別に一歩外に出ればすぐ同じ世界を味わえるはずなのに、なぜだか"内側"から見る"外側"の景色はいつだって特別なもののように思えていた。
大きなクジラ雲。遠くに見える、マジフト場。その前方にあるのが体育の授業でも使われるグラウンドで、そこはいつも生徒の声で賑わっている。

元の世界にあったような四季折々の情緒は些か欠けていたものの、私は毎日代わり映えのしない────それでもよく目を凝らして見ると少しずつ変わっていくそんな"外"の景色を、"内"から眺めるのが大好きだった。

ツイステッドワンダーランドに来て、1ヶ月近くが経つ。
7つある寮のうち2つの寮の揉め事に関わってしまったお陰で、そこそこに交流関係も広がった。今日は豆粒のように見える飛行術訓練生の中から、ラギー先輩でも探そうかな。

そんなことを思いながら、いつも通りふっとなんとなく窓の外を見た時だった。

ぐおん!!!!!

それを"音"で表すなら、そんな感じ。

──── 一陣の風が吹いた、と思った。
開け放たれた窓からは、髪さえ乱れない程度のそよ風しか舞い込んできていなかったのに────その瞬間だけ、私の体にかかる重力が一斉に失われたかのような────そんな鮮烈な風が、舞い上がったのだ。

────ひとりの生徒が、隣の教室の窓から飛び出した。

改めて言うが、ここは4階。普通に考えれば真っ逆さまに落ちて大事故になることは必至────だというのに、"彼"はまるで────それこそ重力なんて関係ないと言わんばかりに、窓から大きく飛び立った。

その時の光景を、私は一生忘れないだろう。

秋の日差しを受けてキラキラ輝く、淡いブルーの髪。落ちるなんて微塵も考えていないのだろうと、本能的にわかるほど希望に見開かれた金色の瞳。髪と共に揺れるピアスが、チャリチャリと軽やかな音を立てている。腕章は、オクタヴィネルもの。

それは一瞬の出来事だった。
"彼"は信じられないほど長い手足を大きく広げ、私の教室の窓際を一気に横切ってみせたのだ。

その瞬間、私と彼の視線が一瞬だけ交差する。呆気に取られている私と、全くそれらしい表情を見せることもなく私をじっと見つめる彼。
それはまるで────時間を切り取られたかのような邂逅だった。一瞬、ほんの一瞬だけ、静止画のように彼の姿を捉える。その青い髪と金の瞳は、喩えるなら海の上に燦々と輝く太陽のようだった。

────海が、空を飛んでいた。

「えっ…」

つい、時の歩みに取り残された私は、ぽかんと見惚れてしまう。

これはまるで────翼が生えているみたいだ。

"彼"は隣の教室の窓の桟を思い切り蹴飛ばして、宙を舞っていた。ぐんと逸らされた胸、その先についている腕が、一度私のすぐ傍の窓の桟をがっしりと掴む。

「…これ、ナイショね」

語尾に可愛らしいハートマークをつけるような言い方で、その名も知らない生徒は私ににこりと笑ってみせた。
そして、もう次の瞬間には器用に壁の窪みや、同じように開け放たれている窓の桟を足掛かりにしながら、彼はとんとんと地上に降り立ってしまった。

それからは、他の人と同じ。のそのそとどこか遠くへ歩き去るその様は、むしろ普通の人よりかなり気怠げな雰囲気すら感じさせられた。

でも────。
あの時、あの一瞬。

私と"彼"の目が会った、あの奇跡。

今までに見てきたどんなキラキラしたものより、彼は輝いていた。
今までに感じてきたどんなワクワクするものより、彼は鮮やかだった。

私が渇望していた"外"の世界。どれだけ手を伸ばしても届かない青空。
彼は、それらを一瞬で全て奪ってしまった。

「こら、授業中によそ見をするな」

────いつまで私は浸っていたんだろう、嵐のような彼の、あの"何者にも縛られない"在り方に、気づけば私はすっかり心を奪われていた。

世界で一番最初に"恋に落ちる音"を表現したのは一体誰だったのだろう。
私にとってその音は────全くの、無音だった。

時間が切り離されている中、たった一瞬でここを横切って行ったあの人の、それでも忘れられないあの瞳。

私は、空間を切り取ったあの瞬間に、恋をしてしまった。
1秒にも満たない、それでも永遠に感じられてしまうようなあの感覚を、私は忘れらなかった。

────後から知ったところ、彼はオクタヴィネルの寮長達と共に寮を統率していく、いわゆる寮長の"左腕"ポジションらしい(右腕はまた別にいるそうだ)。名前は、フロイド・リーチ。

私のイメージだと、どうしてもオクタヴィネルは淡泊で、自己責任という冷たい言葉が当然のものとして受け入れられる世界に見えていた。でも、そんなところにあんな人がいたなんて────。

あまりにも鮮やかな一目惚れだった。今まで見たことのないもので、経験したことのない感情が湧き起こる。その感覚は、あっさりと私の日常を淡い色で彩ってみせたのだ。
自分でもよくわからないが、私は校内で彼の姿をチラリとでも見る度、心の奥でささやかな光が煌めくような感覚に陥っていた。

…それから1ヶ月程経った頃だろうか。

もう揉め事は御免だと思っていたのに、ハーツラビュルやサバナクローに続いて、オクタヴィネル寮ともいざこざを起こす羽目になってしまった。もう本当にこればっかりは、エース達がお馬鹿だと言うしかない。定期テストで高得点を取るためにアズール先輩と"契約"を交わし、その対価として彼の下僕になり果ててしまったのだ。
本当なら"自業自得"と言って放り出したって良かったんだけど、流石に良心が疼いた。なぜかサバナクローのジャックも(彼は彼で邪なことは放っておけないと息巻いていた)手伝ってくれることにもなったので、私達はアズール先輩に対抗する術を探すこととなった。

ひとまず正面突破は無理だとわかったので、アズール先輩の弱点を見つけるために、彼の1日の様子を偵察する私とジャック。彼の完全無欠ぶりは気味が悪いほどで、なぜか見ているだけだったのに、午前中の過程を終える頃にはすっかりこちらの方が疲弊してしまっていた。

エース達も朝から散々アズール先輩にこき使われて、心身共に限界近くまで来ているようだった。これは早めに手を打たないと────そう思っていた、時だった。

「何か、悩み事を抱えているようにお見受けしますが…」

アズール先輩が従えていた2人の人魚が、私の前に現れた。
そっくりな双子だ。その人魚達の髪は綺麗なブルーで、そして瞳は────太陽の金色────。

イソギンチャク達が最初に集められた時には、その場の喧騒とエース達を案じるのとで忙しく、ほとんど目を向ける暇がなかった。私はその時初めて、自分が敵対している人の素性を知ることとなる。

ジェイドと名乗る物腰柔らかな男の人(その奥にとてつもない威圧感を覚えたが)と共に立っていたのは────まさかの、フロイド先輩だった。

フロイド先輩が、目の前にいる。
初めて見た時から大きな体だとは思っていたが、目の前に立たれると余計に凄みがあった。私はあの日見た大洋のようなあの人と、今ここにいるヤクザのような人が本当に同一人物なのか、信じられないような心地でいた。

「あ、あなたは…この間の…」

本能的に後ずさりながら、なんとか言葉を紡ぐ。

本当に、この人があのフロイド先輩? キラキラ輝く海のような人。空を泳ぐ魚のような人。私があの日見たあの光景は、そんな空想が現実化したような、まさに奇跡のような絵図だったというのに。
ジェイド先輩は優しさをうまく取り繕えているようだったが、フロイド先輩から放たれる殺気は隠し切れないものがあった。ここにあったのは、紛れもない敵意────それだけ。

「どーもぉ、フロイドでーす。よろしくねぇ、小エビちゃん」

そして私は、とても穏やかとは言えない雰囲気で語り掛けられた「はじめまして」の挨拶に、二度目の衝撃を受けてしまった。

────フロイド先輩は、私との出会いを覚えていなかった。

そりゃあ、そうだろう。
私にとってあの煌めきは他の何にも替えられないものだったけど、先輩にとって私はただ"いつも通り"教室を飛び出して、たまたまその先で目が合った名前のない一生徒に過ぎない。私なんかよりより多くの情報を拾っているあの人が、たったあの一瞬だけを覚えていられるはずがないのだ。

それでも、私は少なからず自分がショックを受けていることに気づいていた。
その後何やかやでオクタヴィネルとの対決は終わり(いや、何やかやで片付くような軽さではなかったのだが…これはまた別の機会に誰かに聞いてもらうとしよう)、フロイド先輩は完全に私を"オンボロ寮の監督生・小エビちゃん"と認識してくれたようだったが────。

「10月の頃、先輩が教室飛び出した時に私、それ見てるんですよ」
「えー、またその話ぃ? だから覚えてねえっつってんじゃんかあ」
「だってあんなにバッチリ目も合ってたのに!」

────"あの日"が戻ってくることは、決してなかった。

地面の上にいるフロイド先輩は、どこにでもいる…ちょっと大きくて怖い普通の先輩だった。私を見かけるといつもわざと怖がらせるように急に距離を詰めて来て、二言三言会話するなり「飽きた」と言ってまたどこかへ去って行く。
とても自分勝手で、気分屋で、なんでも暴力で解決しようとする…その年にしては、ちょっとまだ発育が整っていないんじゃないかと言いたくなるような問題児だった。

「…なーんか、思ってたのと違う…」

エースに誘われてバスケの試合を見に行った時なんて、最悪だった。フロイド先輩もいると聞いていたので、またあの超人的な身のこなしを見られるんじゃないかと期待していたのに、彼は試合に出場すらしなかった。何度か交代で呼ばれていたのに、彼は最後までベンチから一歩も動かなかったのだ(後から聞いたところ、「面倒くさい」の一点張りだったらしい)。あの日だけで判断するなら、スカラビアのジャミル先輩の方が余程格好良かった。

「もうさあ、いっそその"空を泳ぐ魚"? そっちの方が幻覚だったんじゃねえの?」

オクタヴィネルとのいざこざが片付いた後、私は張り切ってエースとデュースとグリムにフロイド先輩と以前会ったことがあるという話を聞かせた。グリムはほとんど聞いていなかったし、デュースは「流石フロイド先輩だな」としか言わないし、この話で私が盛大に心を動かされ────そして、それがきっと恋だったのだろうという機微までわかってくれたのは、エースしかいなかった。

しかしそんなエースも、今はいい加減な口調でそんなことを言う。

「まあフロイド先輩なら4階から紐なしバンジーくらいやりかねないけどさあ…。その先輩自体が海だった? みたいなそんなこと、オレ思ったことねえよ」
「でもフロイド先輩がキラキラした顔してるところ、エースなら見てるんでしょ?」
「まあ、部活一緒だしね。でもあれはキラキラっていうか…ギラギラ?」
「ギラギラ?」
「完全に捕食者の目だよ、アレ。とてもお前が言ったみたいな綺麗なモンじゃないって。お前のそれは、どーせ惚れてるから勝手に美化されたってだけだよ」
「えー…」

でも、私は当時フロイド先輩のことなんて何も知らなかったのだ。知っている人に元々憧れがあって、日常のなんてことない動作に美化フィルターがかけられた…というのならわかるけど…。私の場合、彼は私の前に"何もないところから突然現れた"。

「そうじゃなくたってフロイド先輩はやめといた方が良いから絶対。あんな気まぐれ人魚、たとえ付き合ったところですぐ手酷くフラれるだけだぜ」

エースの言いたいことはわかる。その気まぐれサラダの被害を一番受けているのは私だ(私の方から彼に近寄ってしまうからいけないのはわかっているが)。サラダを振る舞われたと思ったら、やけに塩辛かったというような、そんな感じ。しかも文句を言おうと思った時にシェフはもういないのだから、最初から報われないことなんて誰よりもわかっている。

「でも忘れられないんだよなあ…」

あの一瞬は、まるで本物の写真を撮ったかのように、一枚の静止画として私の心に収まっている。あの時は本当に全てが輝いて見えていた。そこに海と太陽は、確かにあったのだ。

それともエースの言う通り、やはり錯覚だったのだろうか。見慣れないものを見たせいで、変に興奮してしまっただけなのだろうか。

「あ、話をすればご本人様登場じゃん」

下を向いて盛大に溜息をつく私の隣で、エースが遠くを指さした。校舎の裏庭のベンチに座っていた私達から、少し離れたところ。ちょうど校舎内から出てくるフロイド先輩の姿が見えた。

その顔は気怠げで、まるで大きな熊がのそのそと冬眠する場所を探しているかのような足取りだった。私の知っているあの大きな海は、どこにもない。髪もボサボサだし、制服はよれよれ。

「…やっぱ自信なくなってきた」

それを見ても、私の気持ちは1ミリとて動かなかった。記憶の中のフロイド先輩を思い起こせばいつだってドキドキできるのに、実物を前に萎えてしまうなんて、もうそんなの、好きだなんて言えないじゃないか。

「だろー? だからもうその不毛な妄想、いい加減やめろって」
「うーん…」

その時だった。

「あ、金魚ちゃんじゃん。やっほー!」

フロイド先輩の顔がぱっと輝く。それは私が見たあの煌めきとは少し違っていたけど…どうやら彼お気に入りの"おもちゃ"を見つけたらしい。
彼が声を掛けた先にいたのは、リドル先輩だった。フロイドを見るなり「げ」と嫌がる表情を隠しもせず、逃げの姿勢を取る。

「今日もちっちゃくてかわいーねー」
「失礼なことを言うんじゃないよ! それからこっちにあと一歩でも近づいたら首を跳ねるからね!」

ぴりっ。

その瞬間、空気が変わった。

「へえ、面白いこと言ってくれんじゃん。金魚ちゃんの魔法なんてオレには効かないって、まだわかんねえの?」

フロイド先輩が────舌を覗かせ、臨戦態勢を取る。
リドル先輩は溜息をついて、マジカルペンを取り出した。

「…逃がしてくれる気はないようだね」

そして、リドル先輩が何やら複雑な模様を宙に描き出す。すると即座にその軌跡を辿って光が溢れ出し、小さな魔法陣がいくつも現れる。

「"直接的な魔力行使"が効かなくても、"魔法"そのものが全て君に伝わらないわけではないよ」

魔法陣の最後の外周が繋がった瞬間、その光は急激に輝きを増した。その場を焼き尽くすつもりなのではないかと錯覚するほどの赤い炎が舞い上がり、そして一瞬にして消える。

────閃光に眩んだ目が再び視界を取り戻した時、リドル先輩の前には────翼の生えた木馬や、武器を手にした…あれはチェスの駒だろうか、全身を白く塗られた王族のような格好をした女性が現れた。それに、リドル先輩ほどの背丈のある毒々しい花も、根を地面につけて立っている。

「さあ、お前達。あの不届き者に相応しい罰をお与え!」

リドル先輩の号令で、御伽噺に出てきそうな生き物達は一斉にフロイド先輩へ飛び掛かった。

「アハッ、やっぱ金魚ちゃんおもしれ〜! これなに、生きてんの!?」

フロイド先輩は白のクイーンが投げた先の鋭利な杖をジャンプでかわし、そのまま体を捻って逆さになると、片手でドンと地面を強く跳ね返し、見事なバック転を見せた。

しかしそれを待ち構えていたように、血のように赤い薔薇が棘の生えた枝を、まるで長い腕のようにフロイド先輩目掛けて伸ばした。
体感時間0.5秒。その間に、フロイド先輩はペンを取り出し、素早く魔法で枝を弾き返す。

すると今度は、フロイド先輩の背後から木馬が急下降してきた。フロイド先輩は木馬の翼をぎゅっと掴むと、その細腕のどこからそんな力を発揮するのだろうと不思議になる程の剛力で、木馬を地面に叩きつける。その反動でふわりと体が浮き、彼はその反動を利用して再び空中で一回転した。

「────いた」

その時、私は見た。

揺らめく波のように舞う、青い青い髪。全てを燃やし尽くさんとするかのごとく輝く、金色の瞳。

それは確かに、数ヶ月前に見た"海"の景色だった。

文句を言いながら面倒くさそうに歩いているくたびれた人間じゃない。私を見つけて虐めようとしている時の幼い赤ちゃんでもない。
私が知っている────私の"フロイド先輩"が、今まさに…そこに、いる。

ああ、やっぱり"フロイド先輩"は存在していたんだ。
またこの感覚。ひゅっと内臓が浮いたかと思えば、ぎゅっと素手で掴まれるような────そんな、不思議な高揚感。

「ほら、さっさと次の手駒を出して────…って、あれ?」

しかし、彼の見せる"海"は長く続かなかった。フロイド先輩がリドル先輩の召喚した武器に気を取られている隙に、リドル先輩はさっさと姿をくらましてしまっていたのだ。フロイド先輩がそれに気づいた時、もう彼はどこにもいなかった。

「あーあ…つまんねえの。せっかく面白いこといくらでもできんのに、金魚ちゃんって逃げてばっか」

独り言を言いながら、フロイド先輩は大欠伸をした。
それが、スイッチの切れるタイミングだった。

────急に世界中の水が旱魃したかのようだった。私の気持ちもさあっと引いていき、少し離れたところにいる"ただの男子高校生"を乾いた気持ちで眺める。

「…いたって、何が?」

隣のエースは終始呆気に取られた様子で今の攻防戦を見ていた。そんな中でも私の独り言は聞こえていたらしい、気持ちが落ち着いたように見えたところで、わざわざ丁寧にそれを拾い上げてくれた。

「…私、やっぱりフロイド先輩のこと好きみたい」

でも、それは難儀なことに────いつだって"私"が蚊帳の外にある時にしか見られない姿だった。私じゃあの表情は引き出せない。私じゃあの動きを誘導することはできない。

下手をすれば命が懸かるような、そんな局面にしか、私の"フロイド先輩"は現れなかった。そして私は彼の、そんな局地的な側面に、どうしようもなく心を揺さぶられてしまっていた。

底のない奈落へと自由落下していくような、音のない感情。その先にだけ、海は見える。

「はあ? 今のどこにそんな要素あった?」
「…どこだろうね」

我ながら随分と倒錯した、報われない片思いだと思う。
私にはきっと、この恋を叶えることはできない。この恋のために何か行動することすらできない。

それでもこの気持ちだけは本物だった。本物に、なってしまった。
私の心の中では、新たに更新されてしまった"海"が、乾いた心を満たそうと躍起になっている。

恋に落ちる音は、ただひたすらに無音だった。








フロイドの"本気"に恋をした監督生の話。
彼女が彼の本気を引き出すことができない以上、その気持ちも永遠に報われないまま。









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