その後は、まるでこの間の戦争が嘘のようにいつも通りの毎日が再開された。
リリーとジェームズは、私とシリウスが退院した日の夕方に一緒に戻って来た。やはり校長室帰りだったらしい、どこか神妙な顔で、それでも「騎士団に入らないかって言われた」と興奮を隠しきれない様子で、ちょうどその話をしていた私とシリウス、リーマス、ピーターにそこで聞かされた話を報告する。
リリーも当たり前の顔をして私の隣に座った。
6年間隔たれていた彼女と彼らの間の壁が、いつの間にか溶けて消えてなくなっていることに気づき────私も、そして悪戯仕掛人の4人も当然の顔をして、彼女が座るスペースを一人分空けた。
「リリーも騎士団の存在は知ってたの?」
そういえばこの話を彼女の前でしたことがなかったな、と思い尋ねてみると、案の定彼女は首を横に振った。
「でもダンブルドア先生が説明してくださって、なんとなく"何をする組織"なのかはわかったわ。ホグワーツの先生や魔法省のお役人も何人か組織創設のために今動いてるみたいね」
「それで────リリーは、どっちを選んだ?」
誰がメンバーになろうとしているのかまでは私も知らなかった。そんなことなら、ジェームズのあやふやすぎる又聞きの情報で知ったかぶるんじゃなくて、私もダンブルドア先生の説明を聞いておけば良かった、と思いながら、彼女の"判断"を問う。
まあでも、リリーなら安全策を取ることはまずないだろう。
「もちろん、私だって戦うわよ。騎士団に入るわ。未成年にまで手を出して、魔法界を支配しようとするなんて許せない」
────だって彼女は入学したその日から、何よりもこういった"一方的な加害行為"を憎んでいたのだから。
「そういうわけで、我らは改めてここで一蓮托生となったわけだ」
ジェームズが誇らしげに、リリーの覚悟を締めた。彼は前から好んで私達に"一蓮托生"と言っていた。以前までならそれは、「悪戯が見つかって罰を受ける時は一緒だ」という不名誉極まりない意味が込められた言葉だったのだが────今になって、ようやく私もその言葉をストンと受け入れる。
一蓮托生。
私達は、闇の勢力に抵抗する、まだ若い光の魔法使い達だ。
────結局その後わかったところによると、シリウスに"死の呪い"を使ったバナマンは即刻退学させられたそうだった。しかし、それ以外は────クルーシオを使ったスネイプですら、減点と罰則を受けただけで放免となった。
これまたピーターが盗み聞きしてきた情報を聞く限りでは、彼らは揃って「ポッター達を恨んでいたのは間違いないが、あそこまで傷つけるつもりはなかった」と言うだけだったらしい。私達の"戦争"は、"行き過ぎた小競り合い"として処理されたというわけだ。
「スネイプまで退学にしなかったのはどういうつもりだ? フォクシーに一瞬で返り討ちにされてた5年生の3人が言うならまだしも、それ以外の奴らは全員殺意剥き出しで僕らに杖を向けてきただろ?」
当然、そんな処遇には納得できないとばかりにジェームズが吠える。
その時私達はちょうど、1ヶ月後に控えた試験勉強のために6人で談話室の大きなテーブルを占領しているところだった。
勢い余ってジェームズが魔法史の教科書に大きな黒いインク染みを作ったところを、リーマスが魔法で拭いながら苦笑いして答える。
「でも、その場でその殺意を知ってるのは君達しかいないからな。ダンブルドア先生も言ってたんだろ? 学生は洗脳されやすいって。下手に退学させてヴォルデモートの下に置いておくより、自分の監視下に置いて矯正する方が見込みがあるって思ったんじゃないか?」
「腐ったバナナは何日経とうが腐ったままなんだぞ! 見ろ、パッドフットを! 16年純血こそ正義だと刻み込まれてきながら、これまで一度だってそっちにフラついたことがない!」
「シリウスの勇気を一般水準にしたらみんな闇の魔法使いになっちゃうよ」
まだ喚いているジェームズに、私も言葉を添える。シリウスがどれだけの気概で闇の魔法に抗ってきたのか、それを一番知っているのは私だと思ったからだ。横でシリウスが恥ずかしそうに咳払いをしていた。
「あーあ、せっかくホグワーツに蔓延る闇の勢力を一網打尽にできるチャンスだと思ったのに。狂おしいくらい退屈ないつも通りの毎日が戻ってきちまった。闇の魔術に対する防衛術くらい、実地試験を既にクリアしたってことでパスになんないかな」
「馬鹿ね、イリスを見習いなさいよ。大人は"下地"がない人間の素質まで勝手に見極めて世に放てるほど賢くないのよ。まずは試験で満点を取ってから。その"肩書き"があって、初めて敵と好きなだけ呪いを掛け合えるようになるんだから」
────結局、ジェームズの文句を止めたのはリリーだった。
今までなら、ジェームズのそんな調子の良い言葉にはがんとして反応しないか、嫌味ったらしく鼻で笑うだけだった彼女がそんな風に"まともに"取り合っている姿は、なんだかとても異様なものに見えた。
私達は揃って、リリーの方を見る。ジェームズですら、ぽかんとした表情でリリーを見ていた。
「…何よ」
「…エバンズ、試験後にある最後のホグズミード、僕と一緒に行かないかい?」
────何を言ってるんだろう、この人は。
この流れでデートに誘うの? え? リリーが初めてちゃんと会話らしい会話をしてくれたから、この流れでならいけるとでも思ったの? え、馬鹿なの?
しかし、馬鹿はジェームズだけじゃなかったらしい。
「そうね、試験をちゃんと全部全力で受けきったら、また誘ってみなさいよ。考えるくらいならしてあげるわ」
わざとらしく高慢な態度で、リリーはそれを────承諾したのだ。
「────こりゃ、明日は雷雨になるかな」
呆けた調子で言うシリウスの言葉を、私達の誰も、否定できなかった。
それから1ヶ月、これまで隙あらば狙われていたあの日々が嘘のように────あまりに杜撰すぎたあの"死喰い人リスト作成"もすっかり鳴りを潜めたまま、私達は試験の日を迎えた。
正直、今年1年はほとんどスリザリン生の怪しい動きにばかり気を取られていたので、こうしてホグワーツの平穏な日常を過ごせていることに、私はちょっとした物足りなさを感じていた。嫌だなあ、リリーにも何度か言われていたけど、私ったら本当に悪戯仕掛人の思考に染まっているみたいだ。だって、何も事件の起こらない平坦な日常こそ、元々私が望んでいたものだったはずなのに。それを物足りなく思うなんて────何もないところで派手に騒動を起こすシリウス達の気持ちが少しだけわかってしまう自分を認めて良いのか、ちょっとだけ複雑な気持ちになっていた。
そうは言っても、試験はそんな私達に容赦をしてくれるわけじゃない。いつも通り、教科書と先生の講義をなぞるだけのつまらない羊皮紙の問いに答えながら、私は早くこの試験期間が終わらないかなあとそればかり考えていた。
気になるのは、これが終わった後に本当にジェームズがリリーとデートに行くのかどうかということだった。何も起こらない平和な毎日、それを望んでいたはずの私は、今や一番の親友の心境の変化にでさえ刺激を求めるようになっていた。
「リリー、本当にジェームズとホグズミードに行くつもりなの?」
試験最終日、変身術と呪文学の試験を残したところで、いよいよリラックスモードに入ってしまった私は(これに関しては、去年みたいな心を乱す事件が起きていない限り満点以外の点数を取るなんてことを考えもしていなかった)、教室を移動しながらリリーにそんなことを尋ねる。
リリーはわざとツンとした顔をして、「誘いを受けたら考えるってだけよ。まだ行くと決めたわけじゃないわ」と言う。
ジェームズの好意を受け入れようとしている────それは、どうやら間違いのないことのようだった。
この1年、ジェームズのあからさますぎる傲慢な態度はかなり改められているようだった。どちらかというと、彼の中でも"ただ目立ちたい"という子供みたいな考えは薄れ、目の前に何度も迫られた"闇の魔法に対抗する"という年相応(あるいはそれ以上)の覚悟が芽生えてきているらしい。当然、リリーも彼の中で起きている変化には気づいていたのだろう。
リリーは元々、ジェームズの"スネイプを一方的に虐める"という側面と、"どこだろうが構わず自分の能力をひけらかす"側面を嫌っていたはずだった。
しかし、リリー自身がスネイプを見限り、そしてジェームズの態度に明らかな変化が訪れている今────彼女がジェームズを無闇に嫌う理由はなくなっていった。
それに加えて、彼は自分の身を呈してリリーを守ってみせたのだ。それがリリーへの恋心故なのか、と一瞬そんなことを考えたこともあったが────いや、きっと彼は相手が私だろうとシリウスだろうと、リーマスだろうとピーターだろうと────"自分の仲間"が危険に晒されていたら、きっと自分の身の安全なんて考えず、平気でその命を投げ出すのだろう。
ジェームズ・ポッターという人間は、そういう人間だった。
幼い頃は確かに自分の能力を誇示することが大好きな人間だった。でも、成人した彼はもう────あの頃の幼い彼とは違う。彼は自分の意思で、"自分の守りたいもの"を全力で守り、"自分が敵対するもの"に堂々と立ち向かえる"勇敢なヒーロー"になっていた。
その変化にリリーがどこまで理解を示したのかはわからない。ジェームズの話になるとあえて高慢な態度に出てみせるのは、彼女なりの意趣返しもあるのかもしれない。そういう意味ではまだ彼らが揺るがない友情、あるいはそれ以上の感情でリンクしたとは言えないかもしれないが────いつかリリーが言っていた「歩み寄る余地はあるかもしれない」と言った言葉が、私の脳裏に何度か蘇る。
リリーはきっと今、ジェームズの"正義感"と"誠意"を理解しようとしている。
きっと試験後のデートは、そんな彼女が彼を試すひとつの機会になるのだろう。
「もし行くとするなら、楽しめると良いね」
だから私は、心からそう言った。
ちなみに私は当日、シリウスと2人でデートする約束をしている。
「こればっかりはしょうがない、恋人達の楽しい時間を邪魔しても仕方ないから、ピーター、僕らも2人で楽しもうか」
「うん! シリウスとジェームズとイリスが幸せなら、僕も嬉しいな。────でも、ちょっとその間に例のグループに狙われたらちょっと怖いなあ…」
「大丈夫だよ、僕も防衛術になら少しくらい心得があるから、その場凌ぎでやり過ごすことならできるだろう」
「うん…」
そうなると、どうしてもリーマスとピーターだけが取り残されてしまう────そのことが、私は少しだけ心残りだった。
4人の友情を私が引き裂いてしまっているような、そんな罪悪感がどうしても振り払えないのだ。
「良いんだよ。僕らはこの5年間、散々嫌というほど一緒に行動してたんだ。ここに来て、ジェームズとシリウスがそれぞれ好きな人と一緒に過ごせるなら、僕はそれを喜んで歓迎するさ」
そうリーマスは笑ってくれていた。でも、ピーターはまだどこかそれでも不安を拭えないようだった。そりゃあそうだろう。リーマスだって心強い味方であることに変わりはないが、ピーターにとって"ヒーロー"だったのはシリウスとジェームズなのだ。その2人が自分から離れていこうとしていることに、彼は思っていたより怯えているようだった。
「僕も、ジェームズとシリウスとイリスが幸せになってくれるのが一番嬉しいよ。でも────怖いんだ。もしあの人達がいない間に、また狙われたらどうしようって」
試験前、ちょうど隣の席にいたリーマスに、(きっと私達には言えなかったのであろう)そんな不安を零しているのを、偶然聞いてしまった。
「ピーターは怖がりすぎだよ。確かにヴォルデモートは強大だけど、ダンブルドア先生について行く限り、僕らは安全だ。だからそんなに心配しないで」
「う、うん…。そうだよね……」
────そんなピーターのことを、私はどうしても気に掛けずにはいられなかった。
いつもシリウスとジェームズという"カリスマ"に憧れていたピーター。その2人と過ごせる時間が減っていることに、彼はきっと想像以上に怯えている。まるで闇の手が自分にも刻々と迫っているんじゃないかと思っているような────日に日に彼の表情が暗くなっているのを、私は見ないフリをしつつ、完全に無視することもできなかった。
私はシリウスと付き合っているし、2人で過ごせる時間がとても大好きだ。
でも────それによって、彼らの友情を壊すようなことはしたくない。できることなら、ピーターが闇の魔術に恐れるあまりそちらに転んでしまうことのないよう、最大限の注意を払おうと、心に決めていた。
────さて、そうなると────残された問題のことも、どうしても考えなければならない。
変身術の試験を早々に書き終えて、タイムアップが来るまでの時間、私はまた3ヶ月近く前に起きたあの突然の戦争のことを思い返す。
あの後、ダンブルドア先生の采配によってこの件は収束したかのように思われていた。実際、あの後彼らに目立った行動は見られない。
しかし私はこうも思っていた。
あのグループの首謀者は、こうしてあの戦争が明るみに出たことを知り、わざと身を潜めているのではないかと。これまでも影で暗躍しながら、5年生以上の上級生を手駒に使って死喰い人リストの作成をやらせたり、それを妨害する私達に戦いを持ち掛けてきた謎の首謀者。
これまでの流れで、彼が相当賢い人物であるということはなんとなく想像していた。
自分の姿は一切外に漏らすことなく、杜撰な計画でさえ"正しい計画"のひとつに組み込み、着実にヴォルデモートの望む仕事を進めていたグループのリーダー。
スネイプ達からその名前を聞くことは叶わなかったが────私は試験期間中もずっとその首謀者が誰であるか、考え続けていた。
もちろん、それが私の知らない人物である可能性は大いにある。
でも、そこまで闇の魔術に傾倒しており、学年の違う生徒を正確に操れるほどの頭脳と手腕を持っている生徒なら、噂くらいは聞いたことがあるのではないかと思っていた。
そこで、ここまで集めた情報を改めて並べてみる。
まず第一に、本人が心から闇の魔術を支持していること。そうでもなければ、ヴォルデモートの命令を忠実に遂行できるとは思えない。
そして、先程も挙げた通り、かなり狡猾で計算高い人物であること。
一体誰なんだろう。確かにここまで挙げた条件で考えるなら、スネイプは立派な首謀者となりうる素質を持っているようにも思えるが────それは違うと、彼本人から言われてしまったし。
スリザリン生の中でも、本気で闇の魔法に魅入られている者は少ないはずだ。グリフィンドールはじめ他の寮生に敵意を持っている生徒なら多いが、自らの意思でヴォルデモートという恐ろしい存在に近づこうとしている生徒となると、数は限られてくるはず。
────いや、待てよ?
私はそこで、ひとつの疑問を抱いた。
闇の魔術に傾倒している者。ヴォルデモートに心からの信仰心を寄せ、ホグワーツ内から死喰い人を輩出しようとするその計画に加担したがる生徒。
────それなら、どうして"彼"がそのグループにいないの?
だって私は、とっくの昔にその存在を知っていたはずなのに。
ヴォルデモートの考えこそが至高だと言い切る生徒を。
狡猾で、兄とそっくりなほど自分の思想に自信を持っている生徒を。
私は、"彼"の思想を随分前に聞いていた。ヴォルデモートの考えこそ正しくて、他の魔法使いはみんな彼に頭を垂れるべきだと心から断言するその決意を、聞かされていた。
だったら、"ホグワーツ内で同じ思想に染め上げた生徒を少しでも多く輩出するというこの"計画に"彼"が加担していないのは、違和感しか残らない。
まるで鬱蒼とした湿地に身を隠し、獲物を捕らえる最後の瞬間まで身を潜め続ける蛇のように、虎視眈々と長い計画を練り、最後の瞬間にその大きな牙で相手を丸呑みにしてしまう────そんな存在を、私は知っている。
どうして今まで気づかなかったんだろう。
だって"彼"は、誰よりもヴォルデモートの思想を支持しているはずだったのに。
ひとつの疑問が浮かんだ瞬間、私の脳裏にには素早くこれまでの1年間の思い出が浮かんでは消え去っていった。
最初は、クィディッチの最初の試合の時。
スリザリンが負けたその瞬間、野次と怒りに任せて荒れ狂うスリザリン生の中で、たったひとりだけ優雅に立ち続けている"彼"を見た。
たかがクィディッチの勝敗など、これから自分のしようとしている"壮大な計画の前には大した問題ではない"と、もし"彼"が考えていたら?
「────それより、メルボーンとシモンズって言ったら、どっちもクィディッチの選手じゃないか。僕はそっちの方が健全なスポーツマンシップを傷つけられたようで腹が立つ」
「バナマンっていったら、スリザリンのクィディッチ・チームのキャプテンじゃないか! また僕の神聖なクィディッチがくだらない闇の魔法に穢された!」
次に、ジェームズが何度か言っていたそんなセリフ。
そう、この計画に加担していたのは、スリザリンのクィディッチ選手がほとんどだったのだ。
これも"彼"が首謀者だったというのなら────身近な人材を手下に据えたということにも、納得がいく。
そして、敵として私達が立ち塞がっていることが想定されるなら、私達に最も恨みを持っているだろうスネイプを動かすことは容易かったことだろう。
それに、理由もよくわからないまま、ただ私達に攻撃を加えようとしていた5年生だって────"彼"と同じ学年だというのなら、言い包めるのも簡単だったはずだ。
私の頭の中で、パズルのピースが1つずつハマッていく。
"彼"なら、きっとここまでの計画を、自らの顔を一切出すことなく進めることだってできただろう。
だって"彼は"────私が誰よりも知る、狡猾で抜け目がない"あの人"の弟なのだから。
私は本当にどこまで間抜けだったんだろう。すっかりこれまで出てきた人物の中に、群れを率いる人物がいるのだと信じ切ってしまっていた。
でも、フラットな立場に立ち返れば、もっと早くこの可能性に気づけたはずなのだ。
ヴォルデモートの手下になりたがってやまない"彼"が、この大規模な計画に関わっていないという違和感に。繊細で移ろいやすい生徒の思想なんかじゃなく、確固たる自分の信念として"闇の魔術"を肯定している生徒が、ごく身近にいるという事実に。
私はその瞬間────あまりにも恐ろしいそんな自分の仮定に、ぶるりと身震いをした。
まるで私自身が、沼地で草葉の陰からこっそりと見られているような錯覚さえ抱いてしまった。私達という"獲物"を確実に仕留めるために、あえて杜撰な計画を看過しながらも、当初の目的である"宣戦布告"を確実にこなしてみせた────私の知りうる限り、最も狡猾な敵勢力の人物の姿が、闇の中からのっそりとその顔を露わにする。
────レギュラス・ブラック。
彼ならば、きっとこの計画を────決して自らが表舞台に立つことなく、遂行させられるはずだ。だって彼は────あのシリウスの弟であり、そしてヴォルデモートに心酔している、紛れもない闇の魔法使いなのだから。
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