「ただ、あそこを出たとき出された"本能のままに人を殺すな"と言う命令はまだ完全に守れてはいないのですが。」

Dabihはそう言うと目の前のケースに置いた銃を撫でながら少し切ない顔をした。それを見たCastorはへぇと満足そうに頷く。

「つまり、貴方の居場所はScorpioしかないのね。」

「ええ。」

「愛ね。」

「いいえ、これは妄信です。」

予期せぬ返答にCastorは身を乗り出す。

「それはなんで?」

おもしろいものを見つけたようにギラギラした目で問うCastorと反対にDabihはここにあるものは何も見ていない、そんな光の無い目で呟くように口にする。


「彼も人間です。悪いところはあるはず。しかし私にはScorpioの悪いところが見えないのです。」


私の主
(だから私のこの気持ちはきっと"妄信"なのです。)









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