そんな私に対してScorpioはホープでした。規則に厳しく努力を惜しまないそんな彼の盗みは美しいと呼称されました。

そんな彼が家を離れると言ったときの騒ぎは今でもよく覚えています。あらゆる者が彼に思いなおすように説得したようです。しかし、彼は付いていきたい人が居る、そう言ってきこうとしませんでした。そのとき既にそこに居るだけのような存在になっていた私はレールから外れようとする彼に対して密かに応援していました。役には立ちませんが彼をScorpioを敬う気持ちは忘れていませんでしたから主人が望むままに進んでくれるのが私の幸せでもありました。もっともその頃はまだ私にとっての主人はScorpioの家系の全ての人でしたが。

Scorpioの堅い決意に根負けした家の者たちは家を離れる条件として私の家の者を1人連れて出て行くことを上げました。その条件にも渋い顔をした彼でしたが"我々は貴方の家系に仕える義務があるのですから"という言葉に頷いたのでした。

そして、彼が選んで下さったのが私だったのです。

もちろん周りは制止しました。しかし、彼はあの強い眼差しで私を見て言ったのです。


「彼女の狙撃の腕は確かです。それに俺は簡単に銃に倒れるほど生半可な修行をしてきたつもりはありません。」


誰も認めてくれなかった腕を認めてくれたのです。
単純かもしれませんがその瞬間から私はこの人についていこうと思ったのです。


私の何を投げ打ってでもこの人にお仕えしようと心に決めたのです。







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