私と龍之介様、今はScorpioとの関係は物心ついたときから"主従"でした。Scorpioは盗みを生業とする家系、私は彼の家系に代々仕えお力添えをする家系。生まれたときから主人を持ち死ぬまでお仕えする。良くも悪くも私の家系はそうして生きていくことしか知らなかったのです。
生まれた家系に、決められたレール上しか走れない運命に絶望していたわけではありませんでした。むしろ私はScorpioの家系に仕えることを誇りとしていました。


ただ、それぞれの家系でScorpioは最も優秀であり、
私は最も劣悪であったのです。


それというのも私は幼少から銃が好きで、見るのも触るのも、もちろん扱うのも好きでその上少々短気でした。今もそう変わりはありませんが。しかしそれをどうこう思ったことはなくただ、いつか同行させてもらう任務のために銃や体術を必死に修行しました。
そんな私がその性の怖さを知ったのは皮肉にも念願の初任務の夜でした。

初任務の場所は安っぽいマフィアのアジトで、不運にも仲間とはぐれてしまった私はマフィアと鉢合わせてしまったのです。たくさんの下品な男たちが私を捕まえようと迫ってくる中、私は何かの切欠に"キレて"しまったのでした。その切欠を自ら覚えていないほどに怒り狂った私は手にしていた銃を放ち続けていたらしいです。マフィアの男たちはもちろん私を止めに来た仲間までも無差別に撃っていました。

弾が完全に切れ、我に返ったとき私の視界に入ったのは血溜りと敵と仲間の遺体でした。

後悔をしました。一度は銃を手放しました。精神の鍛錬を繰り返しました。


しかし、私は何度でも愛する銃に手を伸ばし狂ったように人を撃ち殺したのです。


そうして、仲間は家系の者は私を避けるようになり私を蔑みながらも恐れ、いつしか私は"バレットジャンキー(銃狂い)"と呼ばれていました。


『邪魔者以外のなんでもない。』

『主人をも殺しかねない。』

1人、また1人と私から人が離れていき独りになったとき
私の傍に居てくれたのはやはり私の愛した銃たちでした。




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