Capricornは目元の当てていた双眼鏡を下しサンドイッチを頬張った。

「なるほど、本当に高級そうだね。」

「でしょ?」

「でも、猫っていうよりは犬っぽいね。」

「そう言われればそうね。」

CapricornとCastorが見下ろす窓の下にはCancerと分かれたSadalsuud。

「僕、会いに行ってみようかな。」

興味津々という風にSadalsuudをカメラに収めるCapricornの言葉にCastorは駄目駄目と制止をかける。

「あの子には私が会いに行くの。」

「なんで?」

「なんでも。」

紅茶を口にしてCapricornは立ち上がる。

「ふうん。まぁいいけど。じゃあ僕仕事あるから。」

「うん。ありがと。じゃあまたね。」

「うん。」

互いの頬に軽い挨拶のキスを交わしCapricornは皿に残ったサンドイッチを手に部屋を出て行く。

1人の残った部屋でCastorは笑顔を消してSadalsuudの見えなくなった道を見つめる。そして低い声で"馬鹿ね。"と吐いた。



甘い香りに誘われて
(それは私か貴女か)




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