隣のクラスの苗字名前は気がついたら俺の近くに居る。
「みっやじくーん!おはよう!」
「む、おはよう。」
今朝も教室のドアを開けるといつものごとく苗字が大きな声で挨拶してくる。はじめは違うクラスの苗字が何故俺のクラスに居るのかと悩んだものだ。
「ねね、宮地くん!」
にこにこしながら俺の周りを犬の如く回る苗字。駄目だ。ここで相手をしようものなら苗字は授業開始のチャイムが鳴ろうと俺から離れない。
「ねぇねぇねーえ!宮地くん!みーやーじーくーん。」
「うるさい!黙れ!聞いてやるから少し小さな声で話せ!!」
だんだんと大きくなる苗字の声のうるささと序々に集まるクラスメイトの視線に耐えられなくなって聞いてやる姿勢を示せば苗字は嬉しそうににかりと笑う。
駄目だ。このままじゃ駄目だ。
流されてはいけない。
(だけど、苗字の話を聞くのは嫌いじゃあない。)
いい加減にしてくれないか
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