ふわふわまたひとつ
「哉太?」
「…………」
「おーい、哉太くーん?」
「…………」
「あれ無視?ねえちょっと哉太」
「なんだよなまえ。うっせーな」
二人して授業を抜け出し、ぼんやりと晴れやかな空を見上げていた。ぽかぽかとした日差しに私は眠たくなり睡魔と闘っていた。突然ずしりと背中に重みを感じて、眠りかけていた意識が現実に引き戻される。
「え、いや。あの。哉太くん?ちょっと、いや。かなり重いなぁー、なんて思ってたり…」
「知るか」
「それはちょっとおかしいと思うんだな私!彼女が重いって言ってるのに知るかの一言で片付ける彼氏はどうかと思うな!」
「彼氏が話してる時に眠りこけてる彼女は俺もどうかと思うけどな」
「うっ、哉太のくせに!」
言葉に詰まった私に後ろから小さい笑い声が聞こえて、むすりと頬を膨らませ拗ねると哉太の白い手によってぷすーと間抜けな音と共に空気がなくなる。
「なんかさ、」
「ん?」
「今日の哉太積極的だね」
「はぁ?」
「だっていつもだったら他の人に見られるかもしれない場所で私に触れてこないじゃん」
何かあったの?と、身体は前を向いたまま顔だけ空を見るように上げる。
「別に、深い意味はねェよ。なんとなくだなんとなく」
「なんとなく?ほんと〜?」
「ほんとほんと」
「ふーん、まあ。いいんだけどね、甘えたな哉太もそれはそれで可愛いし!」
「可愛いとか嬉しくねーし、」
ふざけんなバーカ。と、私の額に触れるだけのキスをして哉太はにやりと笑った。
ふわふわまたひとつ
title by hence
相互記念で頂きました。哉太が素敵すぎて発狂しそうになりまs((落ち着け ちずささん大好きです!!これからもよろしくお願いします^^
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