従兄弟は大きい
大丈夫大丈夫と言う梓に若干の不信感を抱きつつ私は今男子寮に居る。しかしなぜか水瓶寮。
「ねぇ、梓って射手座寮じゃなかったっけ?」
「そうだけど?」
それが何か?とでも言いたげな梓に少しイラッとしつつここで梓とはぐれたら洒落にならないのでしっかりと着いて歩く。
「ここ」
しばらく歩くと一つの部屋の前で梓は止まった。
「ここ?」
そう聞く私を完全にスルーして梓はドアを開けた。
「翼ー」
「おー梓ー」
何やら部屋は機械だらけで暗い。そんでもってその部屋で天井に何かを取り付けている部屋の主はでかかった。
「これ、僕の従兄弟の天羽翼。」
梓が大きな彼を指差して紹介する。ううう嘘だ!梓はこんなちんまいのに梓の従兄弟がこんなに大きいなんて!
「で、こっちが幼馴染みの堺椿。」
天羽くんがくりっとした目で私を見る。この学園まじでイケメンばっかだなおい。無言もあれだからと私はよろしくお願いしますと軽く会釈した。
「ぬぬ!梓の幼馴染みかぁ!背高いな!」
返ってきた言葉に全私が泣いてる。背高いなが世界で一番嫌いな言葉だ。天羽くんはぬはは〜と笑っているが私はぬははどころではない。てか、私よりお前のが背高いだろうが!!だがこの出会いはきっと梓が友達の居ない私を心配してのことだから嫌いだ苦手だなどとは言っていられない。私は苦い思いを抱いたまま天羽くんに曖昧な返事をした。
(梓、こいつ全然表情変らないぞ!?)
(こういう子なんだよ。)
(変って…ない…?)
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