幼馴染はちっちゃい


弓道場に着くと梓が不機嫌そうに待っていた。

「ごめん。迷子になっちゃって。」

「そうだろうと思った。まぁ一人で到着出来て良かったね。」

梓は私の横に来て少し視線を上げる。そう梓は私より少しばかり身長が低い。

「いや、人に道教えてもらったの。」

私の発言に梓はえ?!とあからさまに驚く。

「東月先輩って人がね、迷子なの?って声かけてくれて。更にね、友達になってくれたの!すごいでしょ?」

「本当に?すごいじゃん。椿いつも困ってても助けてもらえないのにね。」

「うぅ…そうなんだよね。なんでだろう…」

私が首を傾げると梓はふっと鼻で笑う。

「今度何かあったら僕に電話する前に鏡で自分の顔見なよ。」

なんだよそれ。私が不細工だって言いたいのか?そうなのか?

「どうせ私はぶさいくだから助けてもらえないんですよーだ。梓のちび。」

「はあ?ちび?椿がちょっと身長高いだけだろ?」

「はいはい。早く大きくなるといいねー梓くん。」

「バカにしてるの?」



なんだかんだ言いつつ素のテンションで居られる梓の隣が私は大好きだ。




(で、何か用?)
(あぁ椿に会わせたい人が居るんだ。)





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