オーバーヒート


いつの間にか梓と天羽くんもどこかに行っちゃってて私は錫也先輩と一緒に身体測定の続きを回った。


「やっと終わったな。」

「はい。一緒に回って下さってありがとうございます。」

教室へ戻る時間までまだ少しあったので私と錫也先輩は屋上庭園のベンチに座っていた。屋上庭園には私たちの他にも何人か生徒がいてそれなりに騒がしい。

「俺が一緒に回りたかったからお礼なんていいよ。」

そう言いながら錫也先輩は私の手を何気ない感じで握った。わわわわと脳内で叫びつつされるがままにしていたら指までしっかり絡められていた。所謂恋人繋ぎってやつだ。

「ははっ」

鼓動の速さが聞こえませんようにと願っていると錫也先輩が組んだ自分の足に繋いだ手を置いて笑った。

「また真っ赤だぞ?」

「そんなこと…」

無駄な反抗を口にしたとき錫也先輩は空いてる手をそっと私の頬に当てた。触れられたところが熱い。


「そんな可愛い反応させると期待するぞ?」


呟やかれた錫也先輩の言葉に私はオーバーヒート状態。俯いたまま、絞り出すように伝えた。






「期待して下さい。」










(え?)
(え?)



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