つばっちゃんが見つけた女の子の不思議な発言に混乱したかずくんが生徒会を招集して、それにより騒ぎを聞きつけた生徒が生徒会室にかけつけたものだから生徒会室はいつになく超満員だ。

「つまり、他の世界から女の子が月子しかいない星月学園にやってきて、昼ねしてたらこの星月学園に移動してたってことか?」

「そういうことになります。」

粗方ゆーちゃん(本名は葵ゆうさんと言うらしい)の話を聞き終えたかずくんが顎に手を当てながら聞くとゆーちゃんはこくりと頷いた。そのあまりに常識離れした話にそれまで難しい顔で話を聞いていた錫也の幼馴染くんが机を叩きながら立ち上がる。

「さっぱり分かんねぇよ!!」

「哉太はちょっと黙っていような。」

「七海うるさい。」

「七海君、黙っていてもらえますか?」

「・・・わりぃ・・・」

本当に彼には分からなかったんだろうけれど、大きな声で叫んだとたん幼馴染くんは錫也、龍之介、ちーちゃんに次々と叱られた幼馴染くんはしゅんとしてまた席についた。心配そうに見ていたつっこちゃんがよしよしと頭を撫でてあげていた。

みんなが静かになったところで私はずっと聞きたかったことを口にした。

「ところでゆーちゃん、ゆーちゃんは何歳なのかな?」

「ゆーちゃん?私のこと?」

私の質問とは違うところに反応して質問に質問で返してきたゆーちゃんに取りあえず、女の子はあだ名で呼ぶ主義なのと答えてもう一度同じ質問をした。するとゆーちゃんは心なしかふるふると振るえ、少し低めの声で呟いた。

「こ、高3です。」

まさか、やだ、異世界で冗談はやめてよ。こんなに可愛らしい女子生徒が私と同じ年とか。ふふふ。って思った私より先にさっきまでしゅんとしていた幼馴染くんがいやいやいやといかにもおかしそうに声を出した。

「冗談だろ?俺より年上とか」

その言葉にゆーちゃんはうー、と唸ったあと立ち上がり幼馴染くんの前まで行くと目を潤ませて七海くんの・・・と小さく声を出す。

「へ?」

「七海くんのバカーーーーーーーー!!」

小さな体全体から声を出してるんじゃないかってくらい大きな声で幼馴染くんを罵倒したゆーちゃんはその瞬間ぴかーっと光ってふっと消えた。

消えた。

比喩とかそんなんじゃなくて、生徒会室に集まった私たちの前で星のようにピカッと光り姿をけしたのだ。

「消えた?」

「き、消えるなんて・・・」

「なんだったのかな?」


まさに狐につままれたようにぽかんとしているみんなを見渡して、いきなり現れ、いきなり消えた可愛い女の子葵ゆうちゃんを思い出して私はふふっと笑った。


夢にしてはリアルで、目を閉じればまだ小さな同い年の泣きそうな可愛らしい姿がよみがえる。

中々おもしろい事件だった。


不思議とまたどこかで会える、そんな気がした。









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