「ねぇ、かずくんまだ仕事終わらないの?」

「もうちょっと待てって。てか、星華が一緒に帰りたいっていい出したんだからもうちょっと静かに我慢しろ。」

暇で暇でどうかなっちゃいそうだった私は豪華な会長椅子に座りかれこれ2時間も書類といちゃいちゃする我が彼氏に声をかけた。その結果が以上のような感じだ。

今日は翼もいないし、錫也も用事があるらしいし(昨日メールしてたときにそんな感じのことを言っていた)もの凄く暇だ。だからと言ってこのまま一樹を置いて一人で帰るのは負けた気がするので嫌だ。

しかし一樹の机上はおろか私お気に入りの生徒会ソファの前の机にも書類がうず高く積まれていてまだまだ仕事は終わりそうにない。私は何気なく書類の山から一枚を手に取った。それが、私をものすごくわくわくさせてくれる品物だとはつゆ知らず。


「・・・なにこれ。」

「ん?何がだ?」

私が手に取った書類を掲げると一樹は眼鏡のままこちら見た。ちょっと離れているけれど見えたらしい一樹があぁ・・・と優しい笑みを浮かべた。

「懐かしいな。」

「懐かしい?」

「それ、去年出来た料理部の新設申請書類だ。」

「料理部なんてあったの?しかも副部長が錫也!しかも部長は女の子らしき名前!」

「ああ、それな」

新事実にすっかり興奮した私は一樹が何か言っているのを無視して生徒会室を後にしていた。





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