彼女に尋ねるのは無意味なことかもしれない。
私以上にポーカーフェイスで、メロ以上に人に愛されたいと願っている。本当はわがままで寂しがりやなエムのことなんて、誰も気付きはしません。
私だけが知っていれば十分なことです。
「エム」
「なに?」
私の真向かいに座って微笑む可愛いというより、綺麗な顔立ち。
「…ニア、」
「はい」
「最近Lに似てきた」
エムの透き通るほど細く白い指先に自分の手を重ねる。彼女は私とLを比べるようなことはしない。
「嬉しいことではありませんね」
「ふふ、そうね」
彼女を抱き締めると、ふわりと柔らかい香りがする。
生前のL自身を知る数少ないワイミーズの子供。
「ニアはニア」
─Lとは違うもの。
背にかえってくる温もりが優しい。
「ニアは死んじゃヤ」
彼女を一緒に連れ出してよかった。
たとえこれが私のエゴでしかなくても彼女が私を必要としてくれるから、私の私としての意味が生まれる。
「そばに置いてくれて、ありがとう」
幼馴染みの特権だよねあなたにはその境界線を越えた先が見えていますか。
END
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