(現代パロ×会社員ルッチ)
「…」
「すー…すー」
出来る男は残業をしない、エリートだからな。
俺は毎朝毎晩同じ電車の同じ車両に乗るようにしている。予定が狂うのはあまり好まない、否狂わせないように行動ができるということだ、エリートだからな。(2回目)
「…」
満員に近い車内、俺と同じように一日勤しんだ男たちが最後の体力をふりしぼってやり過ごしている中で最近、若い女が混じるようになった。
名なんてもちろん、歳や勤め先なんて知らない。知っていることはどこから乗ってきて、どこで降りていくのかという程度のこと。
「すー」
そして、いつも寝ている。
「んん」
起きたのか。
「…あ、すみません」
彼女の扱いは男子校に一人紛れ込んだ女子に近かった。
つまり、彼女が寝ている間肩を使われていた俺は周りの奴らに羨ましがられていたわけだが、俺自身はどうでもよかった。俺に言い寄ってくる女なんて星の数ほどいる。(ふん、当然だ)
「いや」
「髪の毛もじゃもじゃですね…鬱陶しくないんですか?」
「(あァ)?!」
「肩によだれついちゃってる、ごめんなさい」
「(俺の○ール・スミスのスーツに…)!!」
なんなんだこの女は…
「あ、着いちゃいました」
さよなら、そう言って女は足早に電車を降りて行った。
「エム…」
定期券を座席に落として。
ふん、俺はお人好しじゃない。どうして髪型にはケチを付けられ、スーツにはよだれまで付けられた隣の乗客のために最寄りでもない駅で降りてやる必要がある。
「…ストーカーさんでしたか?」
「バカヤロウ、お前みたいな口元のゆるい女は好みじゃない」
改札前でバッグやらスーツのポケットやらをごそごそあたふたしているその女を見つけた。
「ありがとう、ございます」
「それと、口を拭け」
よだれあとがだらしない。
落し物と自分のハンカチ(出来る男のたしなみだ)を差し出すと、女は少しいぶかしげに、しかし割りと素直にそれを受け取って無遠慮に口元を拭いた。おそらくハンカチは紅まみれ。
今日は厄日だ。
「優しいんですね」
「…勘違いするな」
「それじゃ、」
また明日会いましょう。予定調和を狂わせたお前が憎たらしくて恋に落ちた。
END
(ルッチはポール・○ミス似合う気がする)(ルッチが普通のサラリーマンやってるとかどうなんだろう)(でもCP9ってそういう所な気もします)(変換少なすぎごめんなさい)
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